CLT活用、大規模/高層建物に適用できる耐震壁技術を開発 竹中工務店:木造化/木質化
竹中工務店は、CLTと鋼板を組み合わせて高い耐震性能を発揮し、大規模/高層建物にも適用できる耐震壁技術「KiPLUS WAVY」を開発した。2024年10月に兵庫県神戸市で着工した「神戸学院大学 有瀬キャンパス1号館計画」で採用を予定している。
竹中工務店は2024年11月5日、CLT(直交集成板)と鋼板を組み合わせて高い耐震性能を発揮し、大規模/高層建物にも適用できる耐震壁技術「KiPLUS WAVY」を開発したと発表した。新技術は2024年10月に兵庫県神戸市で着工した「神戸学院大学 有瀬キャンパス1号館計画」(地上3階建て、S造)で採用を予定している。
竹中工務店ではRC造やS造の架構(かこう)の一部に、木を現しで使用しながら、遮音/耐震性能などの一部を補完する設計技術体系「KiPLUS」シリーズを展開している。
KiPLUS WAVYは、波形に折り曲げた鋼板に耐震性を持たせた波形鋼板耐震壁「WAVY」とCLTを組み合わせたもの。大規模な建物や高層建物、壁を配置可能な場所が限られている建物などにも適用できる。階段やエレベーターなどのコア周りに配置されることが多い耐震壁を、居室空間や外部から見える建物周囲に配置する場合、木による快適性の高い空間を実現できる。
CLTを組み合わせた場合も従来と同等の性能を発揮
WAVYは波形の鋼板と周辺の柱/梁(はり)フレームから成る。波形鋼板が大きな地震力を受けた際に急激に耐力が劣化する「座屈」と呼ばれる現象を、両面からL型の断面をした「山形鋼」で挟み込んで抑えることで、高い耐震性能を発揮する。2007年に開発し、これまで70件以上の建物で採用された。
今回開発したKiPLUS WAVYは、CLTと山形鋼により波形鋼板の座屈変形を抑えた場合でも、従来と同等の性能が発揮できることを確認。第三者機関(日本建築総合試験所)の技術性能証明を取得している。
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