工事現場の仮設ハウスに太陽光発電+蓄電池導入、やまびこが実証実験開始:製品動向
やまびこと太陽建機レンタルは、静岡県の工事現場にバッテリーエネルギー貯蔵システム型の「shindaiwa 50kVAマルチハイブリッドキューブ」を導入し、仮設ハウスへの電力供給の実証運用を開始した。
大手農業機械/一般産業用機械メーカーのやまびこは2024年9月26日、太陽建機レンタルと共同で、静岡県の工事現場にBESS(バッテリーエネルギー貯蔵システム)型「shindaiwa 50kVAマルチハイブリッドキューブ」を導入し、仮設ハウスへの電力供給の実証運用を開始したと発表した。独立電源供給時のCO2排出量と、軽油消費量の削減効果を検証する。
仮設ハウスで使用する太陽光発電設備に、蓄電池と50kVAパワーコンディショナーを搭載した電源供給システムとしてマルチハイブリッドキューブを組み入れることで、電力を賄いながらCO2排出量を約7割削減する。
shindaiwa 50kVAマルチハイブリッドキューブは、やまびこが開発したエネルギーマネジメントシステム「K‐EMS」を介して、外部の発電機を含めた統合制御ができる。晴天時は太陽光発電の余剰電力を蓄電池に蓄え、雨天の際には蓄電池からの電力供給を優先しながら、発電機の稼働を最小限に抑える制御を行う。これにより、再生可能エネルギーの最大活用とCO2排出量の最小化を実現する。発電量や燃料の残量は遠隔で確認できるため、給油などの現場作業工数の削減につながる。
やまびこは2024年5月、10kVAパワーコンディションナーを搭載した太陽光パネル一体型の「shindaiwa 10kVAマルチハイブリッドキューブ」を公開した。今回、さらに容量が大きい50kVAの出力が可能になり、工事現場での活用も実現する。
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