洗浄機の「ケルヒャー」が建設現場向けに清掃ロボ! 大成建設が導入したそのスペックは?:第6回 建設・測量生産性向上展(1/3 ページ)
家庭用や業務用の高圧洗浄機で知られるKärcherは、建設業界向けにも用途に応じた多種多様な清掃製品を展開している。2023年に発表した床洗浄ロボットは既に大成建設が導入を決め、薬品ではなく熱湯による除草システムは日本ロード・メンテナンスの道路清掃で使われているなど、現場で徐々に普及しつつある。
清掃機器の大手メーカー独Kärcherの日本法人ケルヒャー ジャパンは「第6回 建設・測量生産性向上展(CSPI‐Expo 2024)」に出展し、建設業界向けに現場の清掃作業を効率化する製品群を訴求した。
展示品のうち目玉となったのは、水を使用しながらブラシで床を洗う洗浄ロボット「KIRA B 50」で、2024年7月には大成建設が物流施設での現場導入を発表している。
広範なエリアを自動で動き回り床洗浄と汚水を回収する床洗浄ロボ
今展のブース展開について、ケルヒャー ジャパン マーケティング&プロダクト本部 業務用プロダクト部 スペシャリスト 矢澤友晴氏は、「建築・土木分野を取り巻く、サステナブルや人手不足への対応を主眼に置き、厳選した製品を出品した」と話す。
その筆頭となる水を使用しながらブラシで洗浄するロボット「KIRA B 50」は、「よいロボットの日」をかけた2023年4月16日に日本上陸した機種で、海外ではショッピングモールや倉庫などのビルメンテナンス用途で多数運用されている。
清掃方法は、最初にロボットにルートを覚えさせる“ティーチング”で、広い場所でも1周すれば後は自動巡回で清掃する。マッピング方法は高性能情報処理による2種類を採用し、洗浄ルートの設定編集やロボット操作も簡単で、専門知識がなくても操作に困ることはない。
自律走行はセンサーでガラスや障害物、歩行者を把握し、安全に回避して走行ルートを進む。稼働時間はリチウムイオンバッテリーにより、3.5時間連続で動く。
オプションのドッキングステーションを組み合わせれば、充電や給排水、ごみの回収も自動で行う。ドッキングステーションとの接続は、ステーション前面のコードをロボットが読み取って行うため、非GPS環境下での運用にも対応する。「当社製品は、ソフトウェアから洗浄のシステムまで全て独自開発のもの。通信は本体と当社のセンターがつながって、万一のトラブルに備えて常時モニタリングしており、ユーザー側でも監視画面を見ることができる」(矢澤氏)。
KIRA B 50を導入した大成建設では、床面積の広い建設現場での清掃作業は手間と時間がかかり負担となっていた。KIRA B 50を物流施設で実証したところ、高い洗浄能力と清掃品質に加え、簡易な操作性も確認し、既存2種類の清掃ロボット「T-CleanXシリーズ」のラインアップに「KIRAMECLEAN」の愛称で追加した。今後は、ケルヒャー ジャパンとともに建設現場での活用状況などの情報交換と連携を強化していくとしている。
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