マンション管理を“ボードゲーム”で学ぶ 大和ライフネクストと明海大が「マンション管理ゲーム」開発:産業動向
大和ライフネクストと明海大学 不動産学部 教授 小杉学氏は、マンション管理になじみのない人でも、理事会役員を疑似体験しながら楽しく学べるボードゲームを開発した。
大和ハウスグループの大和ライフネクストが運営する分譲マンション総合研究所「マンションみらい価値研究所」は2024年8月21日、明海大学 不動産学部 教授 小杉学氏監修のもと、マンション管理を楽しく学べるボードゲーム「マンション管理ゲーム」を開発したと発表した。ボードゲームの製作はピチカートデザインが担当。
マンション理事会役員となって「住民満足度」と「資産価値」を競う
マンションみらい価値研究所は、マンション管理の研究や学習のさらなる発展を目的に、日本で唯一の不動産学部の明海大学 不動産学部と連携し、学生向けの演習授業や社外向けセミナーの共同企画を行ってきた。
マンション管理の学習では、区分所有法やマンション管理適正化法などの法律の知識、マンション特有のさまざまな仕組みに関する知識の修得が必要で、特に学生や分譲マンションになじみのない人にとって入門時の高いハードルとなっている。
そこで、マンション理事会役員を疑似体験しながら、誰でも楽しくマンション管理を学ぶことができる新たな学習ツールとして、明海大学 不動産学部 教授 小杉学氏監修のもと、ボードゲーム制作を手掛けるピチカートデザインとともにマンション管理ゲームを開発した。
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マンション管理ゲームは、約40年間の分譲マンション管理を疑似体験できる。プレーヤーはそれぞれ「マンションの理事会役員」となり、「住民満足度」と「資産価値」の2つの項目で、チームごとに合計20点満点を目指す。
ゲームには、どういった問題が何年目に発生しやすいのか、対応にかかるコスト、住民の反応などについて、40年超にわたりマンション管理会社として得た知見を活用し、現実に近い内容をゲームに反映している。そのため、マンション管理の知識がある人でも楽しめる内容となっている。
ゲームを進めていくと、理事会役員の成り手がいなくなったり、積立金が不足したりと、多くのマンションで起こっているトラブルと同様の問題が発生する。限られた人員や予算の中でどう対応していくべきかをチームで協議しながら進行するため、マンション管理で重要な「合意形成」をゲームの中でも体験することになる。
大和ライフネクストは今後、マンション管理ゲームを社員研修や大学の授業、マンションに関連したイベントなどで幅広く活用していく。
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