3Dスキャンソフト「Dot3D Pro」に橋梁のアンカーボルトを計測する新機能:スマートコンストラクション
DotProductと横河ブリッジは、3Dスキャンソフト「Dot3D Pro」の新機能で、橋梁のあと施工アンカーをタグを貼って、タブレットで読み込んで計測する「アンカーボルトモード」を共同開発した。
3Dハンディスキャナーソフトウェア「Dot3D Pro」の開発元DotProductは2024年8月6日、横河ブリッジとの連携で、橋梁(きょうりょう)建設現場で必要なアンカーボルトの配置や傾きを計測する機能「アンカーボルトモード」を新たに開発したと発表した。
計測精度のヒューマンエラーを解消する新機能
橋梁の建設現場で“あと施工アンカーボルト”を使用して部材を設置する場合は、設置後にアンカーボルトの配置や傾きを計測し、部材の製作図面に反映する必要がある。通常はフィルムや差し金を使った「手計測」で計測しているが、計測精度が計測者の技量や経験に依存する転記ミスなどのヒューマンエラーを無くし切れないなどの課題があった。
DotProductはこれまでに、さまざまなシーンで高密度かつ詳細な3D点群データを取得するシステムとして、3Dハンディスキャナー「DPI-10SG」やスキャンソフトウェア「Dot3D Pro」を開発し、橋梁建設現場のアンカーボルト配置計測などの計測シーンに3D点群データを提供してきた。
今回、現場のニーズに応える形で、DotProductと横河ブリッジのパートナーシップのもと、アンカーボルトの配置だけでなく、その傾きについても計測や判定ができるシステムを共同で開発した。
新機能では、ボルト先端やコンクリート基準面に配置した専用タグ(Tag)の位置や表面情報、入射角を自動検出し、各アンカーボルトの配置や傾きを簡単かつ正確に取得できるようになった。
さらに、必要な測定値だけでなく、アンカーボルトの配置と角度の3Dイメージを即座に生成し、各アンカーの傾斜状況に応じて色分けによる傾き判定が可能になった。
DotProductは近い将来、共同開発成果に基づく新しいアプリケーションをリリースする。国内での販売は、ミルトスが一次販売代理店となる。
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