AI予測で建設現場/プラント設備作業員の安全管理、「プラントコラボ」の新機能で提供:現場管理
NTTコムウェアとNTTコミュニケーションズは、AI予測により、建設現場や工場、プラント設備などの作業員の安全管理を実現するサービスの提供を開始した。体調リスク予測や危険エリアへの侵入/転倒を検知して、労働災害を防止する。
NTTコムウェアとNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2024年8月9日、建設現場や工場、プラント設備などの作業員の安全管理をAI予測で実現するサービスの提供を開始した。AIによる体調リスク予測や危険エリアへの侵入/転倒を検知して、労働災害を防ぐ。保全業務の最適化サービス「プラントコラボ」の新機能「安心安全機能」として提供する。
プラントコラボは、作業者を中心として、設備データや作業員のタスクの進捗、コミュニケーション証跡、ノウハウなどを一括管理するクラウドサービスだ。工場やプラント設備の稼働率向上と適切な設備保全ライフサイクル策定を支援する。横河ソリューションサービスの「eServ」など他社システムとも連携する。
今回追加した安心安全機能は、ウェアラブルデバイスを通じて取得した作業員一人一人のバイタルデータと作業強度や環境データをもとにAI分析を行い、暑熱環境による身体不調リスクや体調の変動を予測。結果をダッシュボードに表示する。
作業員本人は身体不調リスクを把握でき、管理者は身体不調リスクを考慮した業務アサインにより、作業員の安全確保につなげられる。また、設定した「危険エリア」への作業員の侵入や転倒を検知する機能も備えている。
作業員の身体不調や危険を検知した際、どのような作業を何時間実施していたかなどの詳細なデータも蓄積されるため、再発防止に向けた原因分析や改善策の検討、リスクデータとして適切な安全対策の作成などにも活用できる。
安心安全機能の利用にはプラントコラボの契約が必要で、料金は利用環境や構成によって異なるため、個別見積もりとなる。NTTコムウェアはプラントコラボの提供や導入、運用を、NTT Comは提案や販売を担う。
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