災害時のドローン活用体制を強化、首都高速道路が4社と協定:ドローン
首都高速道路は、災害時のドローン活用体制の強化を目的に、JDRONE、エアロセンス、KDDIスマートドローン、NTTコミュニケーションズと協定を締結した。首都直下地震などの大規模災害時に、ドローンを活用して被害情報の収集と状況の把握を行うことで、迅速な緊急交通路確保と早期復旧を図る。
首都高速道路は2024年6月27日までに、災害時のドローン活用体制強化を目的に、JDRONE、エアロセンス、KDDIスマートドローン、NTTコミュニケーションズの4社と、「災害時等における無人航空機の運用に関する協定」を締結したと発表した。
今後は協定に基づき、各社との円滑で確実な支援/協力を構築する。平時には定期的な情報交換や訓練への参加で連携し、首都直下地震などの大規模災害時には、ドローンを活用して被害情報の収集と状況の把握を行うことで、迅速な緊急交通路確保と早期復旧を図る。
なお、協定については、2024年3月25日にJDRONEが、2024年4月26日にエアロセンスが、2024年5月31日にKDDIスマートドローンが、2024年6月24日NTTコミュニケーションズが、それぞれ締結した。
ドローンを活用した点検手法を検討
首都高速道路はこれまで、大規模災害発生時における早期の道路啓開のために、ドローンを活用した点検手法を検討してきた。
2024年1月には、首都高技術、JDRONE、NTTコミュニケーションズ、KDDIとともに、首都高速道路の長大橋3橋(小松川斜張橋、五色桜大橋、レインボーブリッジ)を対象に、自動でドローンの離着陸と充電ができる「ドローンポート」を使用した自動飛行の実証実験に取り組んだ。
長大橋は、災害発生時に行う高架下からの目視点検では損傷を見つけにくい。実証実験ではドローンポートを利用し、あらかじめ橋梁(りょう)付近にドローンを設置して自動飛行するドローンの映像をもとに、遠隔地で迅速に橋梁点検が行えることが分かった。一方で、リアルタイムの映像品質には現場の通信環境が大きく影響を与えることが確認できたため、ドローンに適した通信環境の構築も含めて検討を進めると明らかにした。
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