契約と異なるアスファルト合材の使用を72カ所で確認 国交省調査:産業動向
国土交通省は、道路舗装工事大手が国道や高速道路などの工事で契約と異なる再生骨材入りのアスファルト合材を使用していた問題を受け、全国調査を実施した。新規骨材によるアスファルト合材の使用が指定されていた工事のうち、72件で再生骨材の混入が確認された。
道路舗装工事大手のNIPPOと鹿島道路が、国道や高速道路、などの工事で契約と異なる再生骨材入りのアスファルト合材を使用していた問題を受け、国土交通省は2024年7月19日、72件の工事で再生骨材の混入が確認されたとの調査結果を発表した。データ欠損で混入の有無が確認できなかった工事は41件、再生骨材を混入したアスファルト合材を納入したプラントは34カ所だった。
調査対象はNIPPOと鹿島道路、その他の企業(他社)が受注した新規骨材によるアスファルト合材の使用が指定された工事で、2022年5月1日以降に引き渡しが行われたもの(2024年5月1日以降契約の工事は除外)。調査対象工事は1104件で、NIPPOと鹿島道路が計269件、他社が計835件。なお、他社受注工事は当初契約金額1.2億円以上(工種:アスファルト舗装、A等級相当)が対象となる。
調査では、プラントで合材を製造した際に保存するデータに再生骨材の記録がないか確認し、混入の記録があった場合は注文伝票と出荷伝票により、どの段階で混入があったかを調べた。
再生骨材の混入が確認された72件のうち、工事の受注会社は、NIPPOが33件、鹿島道路が9件、その他の会社が30件だった。再生骨材が混入したアスファルト合材を納入したプラント34カ所のうち、NIPPO子会社は22カ所、鹿島道路は10カ所、他社は2カ所だった。
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