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首都高が3カ年で描く“維持管理DX” 3056億円で21.6km道路更新など「中期経営計画」策定スマートメンテナンス(1/3 ページ)

首都高は、AIを活用したインフラ維持点検の高度化などを盛り込んだ2024年度からの3カ年中期経営計画を策定した。既存高速道路の更新では、羽田トンネルや荒川湾眼橋などを含む21.6キロを対象に、3056億円を投じて抜本的な対策に乗り出す。

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 首都高速道路(以下、首都高)は2024年4月10日、首都高グループの「中期経営計画2024-2026」を公表した。

 3カ年計画は、社会環境の劇的な変化に伴う課題に対応するため、サステナブルな社会の実現と首都高グループの持続的な成長の両立を目指して、10年後のありたい姿を描き、バックキャストして策定した。物流需要の高まりなど多様化するニーズや首都圏の都市構造の変革、自動運転やAIなどの新技術の進展など、社会環境の劇的な変化に伴う課題に対応すべく、6つの重要テーマを掲げている。

社会環境の劇的な変化に伴う課題に、6つのテーマで対応

 6つの重要テーマは、「安全・安心の追求」「快適・便利なサービスの提供」「成長分野への挑戦」「環境・社会への対応、都市・まちづくりへの貢献」「技術開発・DXの推進」「活力と魅力にあふれる人と職場づくり」。

「中期経営計画2024-2026」の概要
「中期経営計画2024-2026」の概要 出典:首都高速道路「中期経営計画2024-2026」

 このうち、安全・安心の追求では、維持管理の効率化と適正化、道路更新事業の計画、危機管理、災害対策の高度化にそれぞれ取り組む。

 維持管理の面では現状、首都高の総延長327.2キロのうち、高架橋やトンネルなどの構造物は約95%を占める。開通から50年以上が経過した路線の割合は、2030年に41%、2040年に65%へと増え、将来にわたって経年劣化が深刻な状況にある。そのため、計画では、新技術を活用し、道路構造物や道路付属施設を更新するとともに、速やかな補修に対応する管理体制の構築や障害/災害時にも運用継続可能な情報システム構築に取り組む。

 具体的には、首都高グループが2017年に運用を開始したインフラの効率的な維持管理をトータルに支援するデータプラットフォーム「i-DREAMs」の拡充、AIやドローン、3D ETC Doctor(電界強度測定車)といった点検技術、低弾性材料によるRC床版上面増厚補修補強などを社会実装していく。目標最終年度の2026年度には、健全橋梁(きょうりょう)率94%、橋梁点検率62%、トンネル点検率68%、道路付属物点検率60%、快適走行路面率97%を目指す。

インフラ維持管理で実装を予定している新技術
インフラ維持管理で実装を予定している新技術 出典:首都高速道路「中期経営計画2024-2026」

 更新事業では、2024年度中に本体工事に着手する「日本橋区間地下化」の他、現状で既に工事に取り掛かっている63.7キロの更新区間に加え、2014年度から始めた法定点検で判明した更新必要箇所の21.6キロで3056億円を掛けて対策する。

日本橋地下化事業の位置図
日本橋地下化事業の位置図 出典:首都高速道路「首都高速道路の更新計画について」
日本橋地下化の工事概要
日本橋地下化の工事概要 出典:首都高速道路「中期経営計画2024-2026」

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