ウレタン吹付工事の厚さ計測システムをクラボウが外販:製品動向
クラボウは、ウレタン吹付工事の検査品質の向上と作業の効率化を目的に開発した現場発泡ウレタンフォーム用厚さ計測システム「アツミエル」を、2024年10月1日から、サブスクリプション方式で提供する。
クラボウ化成品事業部は2024年7月1日から、現場発泡ウレタンフォーム用厚さ計測システム「アツミエル」の予約受付を開始した。2024年10月1日から、サブスクリプション方式でシステムを提供する。
アツミエルは、ウレタン吹付工事の検査品質の向上と作業の効率化を目的にクラボウが開発した。3Dスキャナーと計測治具「アツミピン」、解析専用アプリ「アツミエル」を使用して、ウレタン吹付工事を行った箇所の厚さを計測し、結果のレポートを作成する。
施工箇所全体を面で計測できるため、任意の場所を抽出して点で計測する従来の方法に比べ、厚さ計測の検査品質を向上できる。計測からレポート作成までは、1部屋約15分程度。計測結果はタブレットPC上で色別で厚みを表示し、その場で確認できるため、タイムリーな補修が可能だ。次工程への影響を最小限にとどめられる。
新サービスは、スターターセットとして3Dスキャナー、計測治具アツミピン、アツミピン高所設置用治具「アツミバー」、タブレットPCを提供し、サブスクリプション形式で解析専用アプリをシステム提供する。
ウレタン吹付断熱工法で必要な断熱性能を確保するには、発泡後のウレタンフォームを指定の厚さに施工することが求められる。現状で厚さ検査は、検査員が手作業で「厚さゲージ」や「測定ピン」を吹付面の任意の数か所に挿し込み、計測値を目視で確認する手法が一般的だ。一方、手作業では吹付面全体の厚さの状況が分かりづらく、作業者によるばらつきがある他、手間や時間がかかるため、検査方法の改善や検査の省力化が求められていた。
そこでクラボウは、施工面全体の厚さを簡単に可視化できるアツミエルを開発。実用化に向けては竹中工務店の協力を得て、実際の施工現場で計測精度や操作性の検証を行い、システムの有効性を確認した。
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