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能登半島地震で崩落した道路の啓開に仮設レス施工、技研製作所:導入事例
技研製作所の油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」が、能登半島地震で崩落した道路啓開における車線拡幅工事に採用された。仮設レス施工により、交通を確保したまま車線拡幅工事を実現する。
技研製作所は2024年6月14日、油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」が、2024年1月の能登半島地震により崩落した「のと里山海道」の道路啓開における車線拡幅工事に採用されたことを発表した。上り線開通に向けた車線拡幅工事にあたり「GRBシステム」を投入。仮設桟橋を不要で施工中も緊急車両などの交通を妨げることなく早期完工を実現した。
「GRBシステム」は、軽量・コンパクトな機械装置が既設杭をしっかりつかみながら、杭の建て込み・圧入など圧入施工の工程を杭の上で行える施工システムだ。仮設レス施工によって、交通の確保、工期の短縮を実現する。また、硬質地盤での掘削効率を高めた「サイレントパイラーF112」により振動を抑えながら施工する。
現場の「のと里山海道」は地域住民にとって重要な社会インフラであるが能登半島地震により上下2車線だった道路が崩落。片側通行を余儀なくされ災害応急活動に支障が生じていた。地震発生後、同社グループ企業の技研施工は石川県金沢市に臨時事務所を開設し、被災状況の調査や地域のニーズに合った工法技術提案を進めてきた。工事では「サイレントパイラーF112」と「GRBシステム」により、長さ9.5〜10.5メートルの400ミリメートル幅U形鋼矢板を227枚圧入。延長90.8メートルにわたって、車線拡幅工事に必要な土留め壁を構築した。
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