施設管理業務の人材育成強化と業務のDX推進へ、NECファシリティーズが千葉に新拠点:FM
NECファシリティーズは、工場インフラ設備の管理や運用を担う人材の育成や、事業のDX推進を目的とした研修/研究開発センターを新設した。
NECファシリティーズは2024年5月21日、千葉県我孫子市の「NEC我孫子事業場」内に、施設管理業務の人材育成と事業のDX推進を目的とした新拠点として、研修/研究開発センター「FM-Base(エフ エム ベース)」を開設したと発表した。新センターを施設管理業務の受託ビジネス拡大を目指す重要施設と位置付け、熟練技術者の運用ノウハウの伝承と、DXを含めた業務効率化に役立てる。
半導体製造のトラブルを疑似体験 実践経験を通じて運用ノウハウ獲得
NECファシリティーズは、半導体や電子部品、医薬品製造業を中心に工場のインフラ設備(電気、空調、給排水など)の管理や運用を担う施設管理の受託事業を、全国169拠点で展開している。
今回稼働を開始した研修/研究開発センターには、半導体工場に必要なクリーンルーム、電気設備、エアー設備、外気処理設備、排ガス処理設備、純水設備、排水処理設備、熱源設備、冷熱源設備、薬液供給設備、ガスシリンダキャビネットの計11種類の設備を設置した。
これらの設備を活用し、数年に一度のトラブルを模擬的に発生させて復旧作業を習得するまで繰り返し実機を操作する「トラブルシューティング研修」をはじめ、メンテナンス対応など27種類の研修コースを準備する。研修対象は年間300人程度。
熟練技術者になるには、一般的に12年程度が必要とされているが、NECファシリティーズは、より実践的な経験を提供することで、スキルの習熟時間を6年程度まで半減することを目指す。
また、センター内に設置するR&Dラボでは、設備の稼働データ収集の自動化やエネルギー効率の可視化による予知保全、遠隔での業務支援などの研究開発を進める。加えて、施設管理業務のDX推進に向けた検証や実装、運用に加え、開発したデジタル技術を現場で効率よく活用する研修も行う。
当面は、NECファシリティーズ社員を対象とした人材育成を展開するが、将来は社外からの受け入れにも対応していく予定だ。
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