ニュース
ZEBオフィスの投資効果を、省エネ以外も含めて定量評価 ダイダンが検証:ZEB
ダイダンは自社ZEBオフィス3棟で、省エネ以外も含む総合的な投資効果の評価を行った。ZEBの潜在的な効果の算出により、投資回収年数はエネルギー消費量のみの場合と比較して5分の1に短縮されるとした。
ダイダンは2024年1月24日、ZEB認証を取得した自社オフィスビル3棟(ZEB Ready1棟を含む)について、省エネ以外も含めた総合的な投資効果の評価を行ったと発表した。検証の結果、1200平方メートル程度のオフィスビルの場合、建物全体でエネルギー消費量の削減効果は年間250万円、光熱費以外の生産性向上などの効果は年間1120万円と推計した。
また、ZEBの潜在的な効果を算出することで、投資回収年数は4年程度となり、エネルギー消費量のみで計算した場合と比較して5分の1に短縮されるとした。
エネルギー削減以外の効果を示す指標を定量化
今回の検証では、環境行動におけるエネルギー削減以外の効果を示す指標「Non-Energy Benefits(NEBs)」を定量化する手法を利用した。NEBs算出にはNTTファシリティーズとデロイトトーマツ コンサルティングが開発した、省エネ建築物の新築/改修効果を総合的に定量評価する手法を採用している。なお、NTTファシリティーズは今回の検証対象となったオフィス3棟のZEB設計/監理を担っている。
今回のNEBsの定量化手法は、以下の3ステップで実施した。
- ステップ1:延べ床面積や主な設備の竣工データベースなどの公開情報から算定。
- ステップ2:施設/設備や従業員に関する情報などの内部情報に加え、社員への環境満足度アンケートにより算定。
- ステップ3:現地視察を行い、施設/設備の利用状況の確認や従業員へのヒアリングを実施し、使用者の声をもとに納得感を確認し精緻化。
ダイダンは今後、今回の取り組みで検証した省エネ化だけではない総合的な価値も含めたZEBの建築設備のエンジニアリングに取り組んでいく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ZEB:ブラザー東京ビルの改修が完了 グループ初「ZEB Ready」認証を取得
東京都中央区京橋の「ブラザー東京ビル」の改修工事が完了した。改修に伴って使用電力の最適化や再エネ化を行い、ブラザーグループの拠点として初めて「ZEB Ready」認証を取得した。 - プロジェクト:国内最大の木造賃貸オフィスビルを着工、三井不動産と竹中工務店
三井不動産と竹中工務店は、国内最大、最高層となる木造賃貸オフィスビルを着工した。地上18階建て、高さは84メートル。延べ床面積は約2万8000平方メートル。竣工は2026年を予定している。 - ZEB:品川区が公立特別養護老人ホーム初のZEB認証取得 区有施設では6件目
品川区は区立「八潮南特別養護老人ホーム」の増築棟において、公立特別養護老人ホームとして全国で初めてZEB認証を取得した。増築棟は2026年度の竣工を予定している。 - AI:建築物単位でCO2排出量を自動算定する「Susport 建設」β版の提供開始
Sustineriは、建築物単位のCO2排出量自動算定サービス「Susport 建設」でβ版の提供を開始した。自然言語や機械学習で、既存の業務フローを変えることなく、建築物単位のCO2排出量算定が実現する。 - ZEB:大和ハウス、ZEB設計ツールを開発 BEI計算時間を大幅短縮
大和ハウス工業は、短時間で最適なZEB提案を可能にする2種類の設計ツールを開発し、本格運用を開始した。省エネ性能の計算時間を大幅に短縮し、設計初期段階や設計変更時のZEB化の検討にも迅速に対応する。 - 第8回 JAPAN BUILD TOKYO:AR技術でZEBの効果を可視化する「建築模型AR」を東急建設が開発
東急建設とARスタートアップのOnePlanetは、建築模型とAR技術を組み合わせてZEBの内部構造や全体像を可視化する「建築模型AR」を初公開した。