“三機版デジタルツイン”の基盤と成るBIMの技術計算プラットフォームを構築、三機工業:BIM
三機工業は、技術計算とBIM/CADデータ間のシームレスな連携を実現し、“三機版デジタルツイン”を目指すための基盤となるプラットフォームを開発した。
三機工業は、建設業界の技術計算プロセスを大幅に効率化し、設計から施工までのプロセスを支援する新たなソリューション「BIM計算連携プラットフォーム」を開発したと2024年3月25日に公表した。
BIM計算連携プラットフォームの活用で、従来は手間と時間がかかっていた高度な技術計算を自動化し、迅速かつ正確な計算結果を得られ、高品質な設計・施工が可能となる。
BIM/CADデータをもとに技術計算をプロセスを自動化
設計・施工プロセスの中で、多くの複雑な技術計算が必要となる。技術計算は入力するデータの準備や設定にノウハウが必要で、手間を要するソフトウェアが多く、特に空調設備の設計に使う「熱流体解析」などはその傾向が顕著だ。
一方、技術計算の実施や考察、施工図作成、現場作業へのフィードバックといったプロセスは、品質の確保や向上には欠かせない。BIM/CAD作業では設備機器メーカーから提供されるデータの他、ダクト施工のように材質や形状、周辺設備との接続といった施工上の特有な属性情報(仕様、形状、設定値などの機器属性)を有しているため、有効活用の仕組みが求められていた。
BIM計算連携プラットフォーム上では、BIM/CADデータの属性情報を熱流体解析、騒音/振動、省エネルギー計算などの建設プロジェクトに必要な技術計算ソフトウェアと自動連携し、計算結果の表示までを一元化する。アプリケーション連携API(Application Programming Interface)を最適化しているため、BIM/CADデータをアップロードするだけで、技術計算ソフトに必要な設定情報をプログラムで自動入力。その後のAPI連携している技術計算ソフトでの数値解析結果やコンター図、Excelのグラフ表などへの出力も自動化し、設計・施工の品質維持や向上に寄与する。
三機工業は今後、BIM計算連携プラットフォームを通じ、社内DXを加速させ、生産性の向上や業務の合理化、品質の向上を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- BIM×FMで本格化する建設生産プロセス変革(1):【BIM×FMの新連載】BIMは建物のデジタル情報の宝庫 なぜFMで活用されていないのか?
JFMA(日本ファシリティマネジメント協会)の専務理事 成田一郎氏の連載を受け継ぎ、新たにBIMとFMのテーマで、筆をとることとなった。本連載では、FMとデジタル情報に軸足を置き、建物/施設の運営や維持管理分野でのデジタル情報の活用について、JFMAの「BIM・FM研究部会」に所属する部会員が交代で執筆していく。 - ロボット:空調設備の風量測定で6割省人化、ロボットが自動で測定 鹿島建設
鹿島建設は、設備工事に必要な換気/空調設備の風量測定業務を全自動で行うロボット「Air-vo(エアボ)」を開発した。施工中の現場5カ所で実証を行った結果、1回の風力測定業務に必要な技能者を従来の3人から1.25人に削減できることを確認した。 - BIM:ニコン・トリンブルが3Dモデリングソフト「SketchUp」の販売開始 点群連携や現場でMR投影などが実現
ニコン・トリンブルは、3Dモデリングソフト「SketchUp」の販売を開始した。BIM/CIMの現場実装から、3DモデルのMR運用、ファシリティマネジメントまでトータルに3次元データの活用を支援する。 - デジタルツイン:既存建物のデジタルツイン構築を効率化 BIM化して台帳情報と関連付け、建物の状態を把握
BIPROGYとリコーは、空間データを自動作成し、デジタルツインを活用して建物の設備管理を行うための実証実験を行った。リコーの「空間データ作成/利活用AIソリューション」と、BIPROGYが販売する統合型ワークプレース管理システム「Archibus」を相互接続し、台帳連動型デジタルツイン構築の効率化を検証した。 - 電子ブックレット(BUILT):米設計事務所「Assembly OSM」が提唱 製造業を手本にした新たな建築生産システム
ウェブサイトに掲載した記事を印刷しても読みやすいPDF形式の「電子ブックレット」にまとめました。無料のBUILT読者会員に登録することで、ダウンロードすることができます。今回のブックレットは、米設計事務所「Assembly OSM」が提唱するBIMで進化するモジュール建築と、建設業界の慣例や手法から離れた新しい建築生産システムの構築を解説します。 - 2024年問題:「建設テック求人は2018年比7.80倍と急増」リクルートが建設業界のIT人材動向調査
リクルートは、建設業界のデジタル化に関する求人や転職の動向について調査した。調査結果によると、2023年の建設業界のデジタル化関連求人は、2018年比で5.52倍に達した。