ビル内の水漏れを巡回中にスマホで通知 バッテリーレス漏水センサーを活用:FM
エイブリックは、巡回検知型漏水検知ソリューションの提供を開始した。同社のバッテリーレス漏水センサーと、東芝デジタルソリューションズの「ifLink」を組み合わせている。
ミネベアミツミグループのエイブリックと東芝デジタルソリューションズは2024年4月16日、巡回検知型漏水検知ソリューションのトライアルサービスを開始した。
電源や配線工事が必要ない、エイブリックのバッテリーレス漏水センサー
サービスは、エイブリックのバッテリーレス漏水センサーと、東芝デジタルソリューションズのIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「ifLink」を組み合わせ、ビルや工場、マンションなどのファシリティ管理者など、建物や設備の老朽化に伴う漏水検知の保守メンテナンス需要に幅広く応える。中でもオフィスビルやテナントビル、商業施設は、漏水が発生した場合、商品や設備の被害が大きくなり、経済的な損失につながってしまうため、デジタル活用によるスマート化が求められていた。
巡回者はスマートフォンで、漏水信号の受信や漏水情報の通知を受けるため、据え置き型の受信機器は必要ない。従来に比べ、漏水検知センサーの設置が簡単で導入しやすく、初期導入コストを抑えられる。
今回用いるバッテリーレス漏水センサーは、水漏れした水から発電し、無線で水漏れを通知する。電源やバッテリー、通信配線の工事も不要で、配管や壁、床など、既存の建築物や施設のさまざまな場所に設置できる。
トライアルサービスの期間は最長3カ月で、エイブリックが提供し、東芝デジタルソリューションズはifLinkを介して支援する形をとる。トライアル用の漏水センサー送信器(無線タグ)は無償で貸し出し、センサー部(センサーリボン)は有償で販売する。
エイブリックは、現在150社以上の企業が参加する一般社団法人の「ifLinkオープンコミュニティー」の共創活動にも参画しているため、今後は、現場のニーズに即した通知系モジュールとの新たな組み合わせで、商品ラインアップの拡大を図っていく。
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