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画像からコンクリの0.5mmヒビをAI検出、損傷図も自動生成するニコン・トリンブルのソフトウェア:スマートメンテナンス
ニコン・トリンブルは、コンクリート構造物点検支援ソフトウェア「SightFusion for Desktop」を提供している。デジタルカメラやドローンの撮影画像を用いて、ひび割れや漏水、遊離石灰などを自動で検出、計測できる。
ニコン・トリンブルは、コンクリート構造物点検支援システム「SightFusion(サイトフュージョン) for Desktop」を提供している。
幅0.05ミリのひびわれ検出も可能
システムでは、デジタルカメラやドローンの撮影画像を用いて、AI(人工知能)および画像処理技術によりひび割れや漏水、遊離石灰、鉄筋露出、剥離を自動で検出する。
既存の点検手法では、損傷箇所をチョーキングしてクラックスケールで計測した後、手描きのスケッチや撮影写真をベースにしたCAD図面を作成する必要があった。
SightFusion for Desktopを用いた点検手法では、ドローンやデジカメで撮影した画像をSightFusion for Desktopまたは他アプリで結合し、ひび割れの幅と長さ、漏水/遊離石灰や剥離/鉄筋露出の面積を自動で計測する。検出や計測は、独自のAIと画像処理技術で自動で行い、結果をもとに損傷図も自動生成するため、人力による作成の工数を軽減し、経済性や施工性の向上が図れる。
表示する線の太さや色、ラベルのサイズなどは任意に設定が可能で、解析結果はDXFフォーマットのCADデータでの出力にも対応している。
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