ニコン・トリンブルが3Dモデリングソフト「SketchUp」の販売開始 点群連携や現場でMR投影などが実現:BIM
ニコン・トリンブルは、3Dモデリングソフト「SketchUp」の販売を開始した。BIM/CIMの現場実装から、3DモデルのMR運用、ファシリティマネジメントまでトータルに3次元データの活用を支援する。
ニコン・トリンブルは2024年4月1日、BIM/CIMの活用を支援するTrimbleの3次元モデリングソフト「SketchUp(スケッチアップ)の販売を開始した。
Trimble Connectで一気通貫のデータ共有
SketchUpは高機能でありながら、直感的に分かりやすい操作で、CAD初心者でも簡単に使いこなせる3次元モデリングソフト。線と面を描くことから始まり、線と面から立体を作成、さらに立体を組み合わせてモデル化するシンプルな操作性を持つ。
ニコン・トリンブルは、Trimbleの3Dレーザスキャナーで取得した点群やトータルステーションで計測した座標など、現実空間の位置データを活用したSketchUpのモデリング作業でBIMの実装を支援する。SketchUpのモデリングデータは、複合現実ソリューションのTrimble Connect MR/AR用に最適化されているため、スマートフォンやタブレットなどのデバイス越しに現実空間に3Dモデルを重ね、MR/ARでの設計の合意形成や施工現場の取り合いや干渉チェック、出来形確認に使える。クラウドへの3Dモデルのアップロードやダウンロード回数は無制限となっている。
Trimble Connectは、建設プロジェクトの計画から設計・施工・運用・保守点検まで、データをシームレスに連携するクラウドベースのプラットフォーム。オフィスで設計データをアップして、現場でリアルタイムに活用することが可能で、Trimble Connect経由で拡張複合現実ソリューションのデータが共有できる。なかでもSketchUpは、拡張複合現実のソリューションに最適化されており、ストレスフリーなデータ連携が実現する。
SketchUpの機能の一つScan Essentialsは、Trimble X7やX9で計測した点群データをSketchUp上にインポート。移動&回転ツール、検査ツールや視覚化モードなどの便利な機能で点群を自在に活用できる。さらにネイティブツールボックスで、点群に直接描画やスナップして、点群を正確に3Dモデルに変換す、1つの平面に固定してモデリングの精度を高められる。3Dスキャナー以外にもドローンやLIDARセンサー、モバイルマッピングから点群のインポートが可能で、ファイル形式はRWP、E57、LAS、LAZ、TZF、PLYに対応している。
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