ゼネコンの研究開発費、10年連続で前年度比平均100%超え 日建連調査:業界動向(2/2 ページ)
日本建設業連合会は、建築本部に参加する60社を対象に、研究開発に関するアンケートを実施した。2023年度の研究開発費(41社)の前年度比平均値は108%で、10年連続で前年度比100%を上回った。回答企業のうち約半数が10億円以上を投じていた。
社内で研究開発を行う企業は8割、研究者は平均で57人
アンケートには48社が回答した。回答した企業の売上高は、500億〜1000億円未満が27%(13社)、2000億〜5000億円未満が23%(11社)、200億〜500億円未満が17%(8社)、1000億〜2000億円未満が15%(7社)、1兆〜2兆円未満が10%(5社)、200億円未満と5000億円〜1兆円未満がそれぞれ4%(2社)だった。
このうち、社内で研究開発を行っているのは81%(39社)で、社内では行っていないが社外に外注/委託して実施している企業は6%(3社)、研究開発を実施していない企業は13%(6社)だった。研究開発を実施していると回答した企業のうち、研究開発専門部署があると回答したのは88%(37社)で、実験施設を持つ企業は74%(31社)だった。
研究者数は最大407人、最小0人で、平均は57人。150〜200人未満と200人以上の企業がそれぞれ2社(5%)ずつあったが、最多を占めたのは10〜50人未満の40%(17社)で、10人未満が29%(12社)、50〜100人未満は14%(6社)、100〜150人未満が3社(7%)と続いた。女性研究者数の研究者数に対する割合は10%を超えた。
また、42社の研究者総数は2378人で、分野別でみると、建築が45%(1069人)、土木が43%(1025人)、その他が12%(284人)だった。
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