ゼネコンの研究開発費、10年連続で前年度比平均100%超え 日建連調査:業界動向(1/2 ページ)
日本建設業連合会は、建築本部に参加する60社を対象に、研究開発に関するアンケートを実施した。2023年度の研究開発費(41社)の前年度比平均値は108%で、10年連続で前年度比100%を上回った。回答企業のうち約半数が10億円以上を投じていた。
日本建設業連合会は2024年3月27日、建築本部に参加する60社を対象に実施した研究開発に関するアンケート調査結果を公表した。2023年度の研究開発費(41社が公表)の前年度比平均値は108%で、2014年度から10年連続で前年度比100%を上回った。
研究開発費の前年度比が同額または増加した企業の割合は63%(26社)を占め、減少した会社は37%(15社)だった。100%以上120%未満の会社が41%(17社)と最多で、80%以上100%未満の会社が22%(9社)と続いた。
約半数が10億円以上を投資、最多注力分野は「品質/生産性向上」
41社の研究開発費の合計は約1119億円。約半数に当たる20社が10億円以上を投じており、そのうち14社が20億円以上を投資していた。各社の売上総額に対する研究開発費総額の比率は0.82%だった。
また、特に注力している分野(複数回答)として、約半数の49%(96件)が「品質/生産性向上」を挙げ、2019年度以降に増加傾向が続く「地球環境」は27%(53件)と約3割を占めた。
品質/生産性向上の分野のうち、最も多く挙がった項目は「施工管理(IT化施工など)」で31件、次いで「ロボット、自動化施工」の24社、「コンクリート」の15社、「維持保全」の9社が続いた。「その他」の1社の回答は「建設設計自動化」だった。
地球環境分野では、BEMSやスマートグリッドなどのエネルギー管理を含む「省エネルギー/CO2削減」が32社と最多で、前年度と比較して5社増加した。続いて「新エネルギー/再生可能エネルギー」の12社、「廃棄物処理、再資源化」が5社だった。
「快適/健康」の分野では、「音、振動環境」が6社、「健康(ウェルネス)」が4社、「温度、湿度、光環境」が2社、「空気環境」が1社だった。
「その他」の分野では3社が、「AI活用」「スマートソサエティ、デジタルツイン」「教育」と回答した。
なお、研究開発費用をテーマ別にみると、建築が47%、土木が37%、建築土木共同が12%を占めた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.