ドローンのルート設定から3D分析まで一元化する「DroneDeploy」、オーク情報システムとチェンジが発売:ドローン
オーク情報システムとチェンジは、米DroneDeployのドローンや360度カメラのデータ取得から、管理、分析、BIMとの連携まで一元管理できるデジタルデータ統合プラットフォーム「DroneDeploy」の統括代理店として販売を開始した。
オーク情報システムとチェンジは2024年4月1日、米DroneDeploy(ドローンデプロイ)が開発する建設業向けデジタルデータ統合プラットフォーム「DroneDeploy」を日本国内で販売を開始したと発表した。
ドローンの撮影ルート設定から、データ取り込み、3D出力まで一気通貫で処理
DroneDeployは、ドローンの撮影画像から建設現場の3Dモデルや点群データを生成し、測量や分析を行える「Aerial(エアリアル)」、360度カメラの撮影画像を位置情報と共に保存し、施工の進捗管理や情報共有の「Ground(グラウンド)」を搭載している。写真撮影によるデータ収集から、データの分析、出力までの流れがDroneDeployのクラウド上で完結する。
スマートフォンやタブレット、PCなどのデバイスから、いつでもどこでも建設現場を詳細に確認でき、いつでもどこでも、あたかも建設現場にいるかのように状況確認が可能で、画像へのメッセージ入力でコミュニケーションも行える。さまざまなツールとも連携し、1つのユーザーインタフェースから全情報へアクセスできるプラットフォームとなっている。
機能の1つDroneDeploy Aerialは、ドローンによる空中撮影の画像から「写真測量法(Photogrammetry)」を用い、3Dモデルや点群データを生成し、そのデータから距離や体積などの測量や現場状況の分析も可能になる。空中撮影は、現場の全体を上空から撮影する「全体マップ」、構造物を横から撮影ができる「ファサード」、距離が長い現場を線状に撮影ができる「空中回廊」などの種類があり、ドローン撮影の飛行ルートの設定から、ドローンによる撮影、撮影データのクラウドシステムへの取り込み、データ出力まで、1つのシステム内で一気通貫の処理が実現する。
DroneDeploy Groundは、建設現場で撮影した360度画像を位置情報と共に図面上に保存する。スマホやタブレットと360度カメラがあれば手軽に撮影し、データは360度画像のため撮り漏れもない。定期的に建設現場を撮影し、画像を蓄積すれば、現場から離れた場所にいる関係者との現場状況の共有、協力会社との作業間調整や指示出しに役立つ。他にも、時系列で過去と現在や完成時のBIMの設計データとの工事進捗の比較、施工前の現地調査から施工中の記録、顧客への説明、施工後の営繕に活用が見込まれ、やり直しの低減や顧客満足度の向上につなげられる。
また、歩いて360度動画を撮影するだけで、図面上の歩いた位置をAIが自動で認識して画像を切り出して図面上にプロットしてくれる「Walkthrough(ウォークスルー)機能」やBIMデータとの連携にも対応している。
DroneDeployの販売では、オーク情報システムとチェンジの強みを生かし、建設業界に関わるあらゆる企業に最先端のドローン技術を提供することで、さらなる業界の変革を支援していくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 建設業界の新3Kを支援するソリューション:中小建設業にも広がる人事・労務管理のデジタル化 効率化で時間を創出し、働きやすい職場づくり進める
建設業の労働力不足への対応として、人材の確保や育成、労働条件の改善などが急務となっている。この取り組みを進める上で欠かせないのが、デジタル技術活用による人事・ 労務管理の高度化だ。クラウド人事労務ソフトを展開するSmartHRに、労務領域のデジタル化の現状について聞いた。 - 地場ゼネコンのDX:「建設業のICT投資は今が好機」と語る、インフラDX大賞を受賞した地場ゼネコン「金杉建設」が抱く危機感とは
埼玉県に本社を置く地場ゼネコンの金杉建設は、ドローンや3Dスキャナー、ICT建機などのデジタル技術に早期に着目し、2015年から施工現場への積極的な導入と内製化を進めてきた。2023年2月には、その取り組みが評価され、「インフラDX大賞」の国土交通大臣省を受賞。これまでの挑戦とデジタル技術活用にかける思いについて、金杉建設 代表取締役社長 吉川祐介氏に聞いた。 - ロボット:3台のロボットを群管理、エレベーターとも連携 戸田建設など5社が実証実験
戸田建設、ZMP、三菱電機ビルソリューションズなど5社は、都内の宿泊研修施設で役割が異なる3台のロボットの群管理と、人のエレベーター同乗連携に関する複合実証実験を行った。 - AIでインフラ点検の常識を変える!:キヤノンがNEXCO総研や東設コンサルと三位一体で目指す点検DX 最新AIの「変状ランク判定」は年内実用化
国内では、高速道路をはじめ、インフラ構造物の老朽化が深刻化している。笹子トンネル天井板落下事故を契機に、2014年度から道路構造物の5年に1度の定期点検が義務付けられた。国内に70万橋あるとされる橋梁も対象となり、道路管理者は近接目視をメインに1年で12万橋ほどの点検をしているが、人手不足や安全面への配慮に課題は多く、今後の持続性に課題を抱えている。 - スマートメンテナンス:画像からコンクリの0.5mmヒビをAI検出、損傷図も自動生成するニコン・トリンブルのソフトウェア
ニコン・トリンブルは、コンクリート構造物点検支援ソフトウェア「SightFusion for Desktop」を提供している。デジタルカメラやドローンの撮影画像を用いて、ひび割れや漏水、遊離石灰などを自動で検出、計測できる。 - ドローン:空飛ぶクルマの運航管理で、Terra DroneやJAXAなどが大阪府咲洲庁舎で実証
Terra Droneや三井物産、JAXAなどが参画するコンソーシアムが、空飛ぶクルマの運航管理を目指した実証実験を共同で実施した。さまざまな航空機の協調的な運航管理プラットフォームの構築に要する技術を検証している。