千代田化工建設とセンシンロボティクスが業務提携 plantOSとロボット、AIを融合:産業動向
千代田化工建設は、センシンロボティクスと、プラントなどインフラ保存でAIやロボット、ドローン活用を目的に資本業務提携を締結した。
千代田化工建設は、ドローンなどのロボティクス技術、AI、XRなどを活用した業務ソリューション開発を行うスタートアップのセンシンロボティクスと、産業分野の業務効率化と高度化に向けた協業のさらなる加速を目的に、資本業務提携を締結したと2024年3月6日に発表した。
plantOSとSENSYN COREの組み合わせで、インフラ保守向けソリューションを開発
センシンロボティクスは、総合エンジニアリング事業者の千代田化工建設と産業分野の業務効率化と高度化に向けた協業のさらなる加速を目指し、資本業務提携を締結したと2024年3月6日に発表した。
2023年1月に運転(Operation)と保全(Maintenance)向けソリューション提供の専門部を設立し、グループ会社である千代田エクスワンエンジニアリングとともに、国内外顧客のO&M業務の変革をサイバーとフィジカル両面から支援するソリューション「plantOS」を提供している。plantOSは、これまでの産業設備やプラント、メンテナンス分野での現場中心のフィジカルサポートと、長年培ってきた高度分析、解析サービス、IoT、クラウドやAIなどの最新のデジタル技術を組み合わせたプラント操業のOS(オペレーションシステム)となるサービス。
今回の協業では、千代田化工建設が国内外顧客のO&M業務の変革をサイバーとフィジカル両面から支援するplantOSに、センシンロボティクスのデータ分析/ロボット制御プラットフォーム「SENSYN CORE(センシン コア)」を中心としたインフラ保全領域で磨いてきた技術力を融合する。ロボットやドローンを使ってタイムリーにデータ収集し、3Dデジタルツインプラットフォームへ集約して、AIなどの最新技術を用いて洞察を導き出し、新たな価値を生み出すソリューションを共創する。
プラント操業の現場で、少人化がもたらす深刻な人手不足の中、老朽化する設備の健全性を維持するには、日常点検の質と頻度を上げることが重要とされ、自動巡回型のドローンやローバー型ロボットの導入や取得するデータの利活用による業務の効率化/高度化は近い将来必要不可欠となる。
一方、先進技術の導入、活用には専門の知識が求められる。継続的なメンテナンスなど、初期投資以外にも多くの運用コストがかかり、新技術や製品は、継続的かつ頻繁に更新されるため、全事業者が容易に導入できない。
こうした課題に対し、両社は、センシンロボティクスのロボティクスやAI、xRといった技術力と、千代田化工建設の現場(フィジカル)も含めた総合力を合わせ、持続可能で安心安全な企業活動につながるビジネスセイフティーの提供を目標に掲げる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- プロジェクト:コーエテクモの光優が運営する「ゲームミュージアム」や29階建てオフィスを含む、MM21街づくりに大和ハウスが着工
大和ハウス工業と光優は、神奈川県横浜市西区のみなとみらい21中央地区で、世界初を謳うゲームアートミュージアムや地域熱供給プラント、29階建てオフィスから成る街づくりに、2027年7月の開業を目標に着工した。 - 第8回 JAPAN BUILD TOKYO:設置するだけで1年間はマンホール水位を監視、日立システムズの「CYDEEN」
日立システムズが提供するCYDEENは、もともと公共工事の事務処理を効率化する目的で開発したソリューション。その後は、ライフサイクルを総合的に支援するソリューションとして成長し、現在は公共/民間の区別なく、現場での作業効率や品質を向上させる基盤として多方面で利用されている。 - 第8回 JAPAN BUILD TOKYO:現場管理アプリ「SPIDERPLUS」に新機能、帳票デジタル化やBIMのビュワーなど
第8回 JAPAN BUILD TOKYOで、スパイダープラスは現場管理アプリ「SPIDERPLUS」の基本機能と、新たに追加した機能をPRした。新機能は、帳票デジタル化の「S+Report」やiPadでBIMの3Dモデルを閲覧できる「S+BIM」に加え、プラント、土木、インフラメンテナンスの用途別ソリューション。 - 施工:300m超の超高層ビルを支える国内最大の拡底バケットを用いた拡底杭工法を開発、鹿島と東洋テクノ
鹿島建設と東洋テクノは、300メートル超の高層ビルに対応する場所打ちコンクリート拡底杭工法「Earth-LEX工法」を共同開発した。新工法は、国内最大とする拡底バケットを用い、従来使用している掘削機や資機材で、直径6100ミリの拡底杭を築造できる。 - ドローン:プラント点検用の屋内型自動巡回ドローンおてがる版を販売開始、本郷飛行機
本郷飛行機は、プラント点検や倉庫用の屋内型自動巡回ドローン「P250-LN」の簡易版を販売開始した。簡易版では、自動飛行に必要なラインマーカーをユーザー自身で設置することが可能となった。 - 施工:シンガポールの建設専門工事会社に圧入機「ジャイロパイラー」納入、技研アジア
技研製作所グループ企業の技研アジアは、鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」をシンガポールの建設専門工事会社に納入した。今後も、同地で増えている硬質地盤工事の需要に、独自のジャイロプレス工法で応えていくという。