プラント点検用の屋内型自動巡回ドローンおてがる版を販売開始、本郷飛行機:ドローン
本郷飛行機は、プラント点検や倉庫用の屋内型自動巡回ドローン「P250-LN」の簡易版を販売開始した。簡易版では、自動飛行に必要なラインマーカーをユーザー自身で設置することが可能となった。
本郷飛行機は、プラント点検や倉庫用の屋内型自動巡回ドローン「P250-LN」の簡易版を販売開始すると2023年12月に発表した。
非GPSの屋内環境でも、ラインマーカが設置された床面上を自動で飛行
P250-LNは、主に工場内やビル内といった屋内環境で、ラインマーカーを設置した床面上を自動飛行しながら情報を収集できるドローンで、警備や巡回点検といった用途に適する。
ラインマーカーを2本交差させて交差点を設けることで、前進、後退や旋回、昇降を指示し、自動飛行する仕組み。
今回の簡易版は、誰でもラインマーカーの設置でき、屋内での自動飛行ドローンをより気軽に試せる。専用のラインマーカを途切れなく設置することで、指定された経路を自動で飛行し、専用の離着陸ポートで自動充電に対応している。従来版は、ラインマーカーの設置業務や飛行場所に合わせた機体のカスタマイズも含めた1つのソリューションとして提供していた。
交差点のはみ出し部分や壁からの距離、交差点同士の距離といった設置上のルールに加えて、ラインマーカーが白飛びしない、屋外からの外光が入らないなど、照明条件に留意する必要があるものの、ユーザーが飛行経路を自由に設計できる。専用のアプリケーションで、飛行可能かどうかも事前に確認できる。
P250-LNは、機体幅が150×150ミリ、高さが80ミリ、翼幅が100ミリ。電池を含めた重さは約250グラムで、約15分間飛行する。搭載カメラは、4K相当となっている。
セット内容は、機体本体に加え、電池や自動充電用の離着陸ポート、操作用のタブレット、Wi-Fiルーター、サンプルのラインマーカーが付属する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ドローン:「能登半島地震」の倒壊家屋を狭小空間用ドローンで現況調査、Liberaware
Liberawareは、自社開発した狭小空間の調査に対応するドローン「IBIS」で、能登半島地震の被災地となった輪島市内で倒壊家屋や倒壊リスクのある商業施設の現況調査を行った。 - ドローン:天井裏など狭所空間で長時間飛行が可能な「天井吸着移動型ドローン」を開発、東急建設と都市大
東急建設と東京都市大学は、天井裏やピットなどの狭所空間で、気流の吹上げと天井吸着を維持した直線移動や旋回が可能な「天井吸着移動型ドローン」を開発した。天井吸着飛行で約30%の消費電力の削減効果と、気流の吹上げ利用で安定飛行に成功した。 - ドローン:小型ドローンに搭載可能な「軽量ミリ波レーダ」で外壁内部の欠陥を1ミリ秒で検出、阪大とJ商エレ
JFE商事エレクトロ二クスと大阪大学は、小型軽量のミリ波レーダを用いた非接触/非破壊による外壁内部の欠陥を、ドローンの揺らぎよりも短い1ミリ秒での検出に成功した。構造物内部の高速かつ高感度の検査で、新たなドローン活用の可能性が期待される。 - ドローン:SLAMが使えないトンネル暗所でも自律飛行 戸田建設とSpiralが障害物回避飛行に成功
戸田建設とSpiralは、山岳トンネル工事の安全性と生産性を向上させるべく、両社が共同開発した非SLAM型自律飛行ドローンによる障害物回避飛行を検証した。今後も現場実証を繰り返し、2025年度の本格運用を目指す。 - ドローン:日本一のアーチ橋「広島空港大橋」を自律飛行型と狭小空間専用のドローンで点検 パーソルP&Tと長大
パーソルプロセス&テクノロジーと長大は、日本最大のアーチ橋として知られる「広島空港大橋」で、自律飛行型と狭小空間専用の2種類のドローンを用いて、非GPS環境下や狭いスペースの支柱内外を点検した。 - ドローン:Starlinkとポート付きドローンで目視外自律飛行、現場監理の時間を8割短縮 大林組とKDDI
大林組とKDDIスマートドローンは、目視外で自律飛行し、建設現場やインフラの巡視、点検、計測、異常検知を自動で行うドローンシステムを開発した。実証では、現場監理業務の時間を80%削減し、官民研究開発投資拡大プログラムでA評価を獲得した。