中小建設業に特化、作業所単位で温室効果ガス排出量を算定できるサービスを開始:現場管理
ゼロボードは中小建設事業者向けに、建設作業所単位で温室効果ガス(GHG)排出量を算定/可視化できるクラウドサービス「Zeroboard construction LIGHT」の提供を開始した。各作業所の場所や工期、用途、構造などの現場情報に加え、GHG排出量を含めた複数作業所を一括管理できる。
ゼロボードは2024年3月1日、中小建設事業者向けに、建設作業所単位で温室効果ガス(GHG)排出量の算定/可視化ができるクラウドサービス「Zeroboard construction LIGHT(ゼロボードコンストラクションライト)」の提供を開始した。
新サービスは、各作業所の場所や工期、用途、構造などの現場情報に加え、GHG排出量を含めた複数作業所の一括管理が可能だ。ダッシュボード上で作業所ごとの排出量と累計排出量の推移をモニタリングしながら現場作業を進められる。
サービス開始以降は、Zeroboard construction LIGHTに集積したGHG排出量から統計データを生成する。このデータをもとに、ユーザー企業に対し、全国や地域別、構造別などの平均値との比較しながら削減提案を行うなど、可視化の先にある削減の取り組みへの足掛かりとして活用する予定だ。
住宅/建築物関連のGHG排出量は、日本国内の排出量の約3分の1を占める。建設業では設計段階や施工段階などで、GHG排出量削減に向けた取り組みを進めている。新サービスは、今後脱炭素化の推進が求められる地域の中小建設事業者向けに特化。GHG排出量の管理、削減に取り組みやすくなるよう、過剰な機能を削ぎ落とし、ユーザーフレンドリーなUI/UXを目指した。
ゼロボードは、GHG排出量算定、開示、削減を支援する「Zeroboard」を展開する。国内外のサプライチェーン排出量、製品別/サービス別の排出量をクラウドで算定、可視化する他、削減貢献量や水資源などの登録も可能だ。Zeroboardに業界特有の機能を加えたプロダクトとして、建設業界向け「Zeroboard construction(ゼロボードコンストラクション)」などを提供をしている。
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