「8割超が“担い手不足”に課題、DXで労働生産性の改善に期待」建設業の働き方で実態調査:2024年問題(2/2 ページ)
rakumoは、建設業の働き方について実態を調査した。その結果、8割超が「担い手不足」 に課題があり、DX推進で解決を期待していることが判明した。
DX推進で期待する効果は、「労働生産性の改善」がトップ
今後、具体的に導入や利用を検討しているツールは、「電子稟議申請/決裁システム」が49.0%、「スケジュール管理ツール(カレンダー、勤怠管理など)」が47.0%、「汎用的なクラウドサービス(グループウェアなど)」が46.0%。
ツールを導入するにあたって優先することに関しては、「自社の事業にあった機能を備えていること」が71.0%、「現場や外出先など、場所を問わず利用できること」が36.0%、「ITツールが苦手な人材でも直感的に使いこなせること」が31.0%だった。
DX推進で期待する効果は、「労働生産性の改善」が70.0%、「長時間労働の解消」が58.0%、「業務の見える化の実現」が42.0%の回答となった。
誰もが使いやすい建設ICTツールが、建設DXの推進には必要
rakumoは、調査結果を受け、「8割以上が担い手不足(若手不足や高年齢化、技術継承の課題)を挙げた。半数以上が、2024年問題や働き方改革への対応状況、長時間労働と回答するなど、建設業界特有の働き方の課題が多くあることが分かった」とし、その解決策として、「DX推進に期待する声は85.0%と高い割合となっている」と総括。
一方で、DXを推進する際には、「利用者側のスキル不足」や「DX人材不足/リーダーシップの不確実性」などのハードルを感じている人も多く見受けられたと指摘する。
そのため、DX推進にあたっては、「自社の事業にあった機能を備えていることは当然のことながら、場所を問わず利用でき、操作がシンプルで誰もが使いやすいツールを活用することが、自社の働き方に関する課題を解決する第一歩につながるといえる」と提言する。
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