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戸田や西松が1000mのコンクリ圧送でも流動性を損なわない圧送助剤を開発:施工
戸田建設、西松建設、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ、北斗工業は、ポンプ車によるコンクリートの長距離圧送に用いるポンプ圧送助剤を共同開発した。圧送性を確保しながら、初期強度発現性が改善する。
戸田建設、西松建設、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ、北斗工業は2023年12月、ポンプ車によるコンクリートの長距離圧送に用いるポンプ圧送助剤を共同開発したと発表した。
施工現場でアジテータ車に添加や撹拌することで、コンクリートの初期強度の発現を大幅に遅らせることなく、圧送性を確保できる。
コンクリートの初期強度発現性を改善したポンプ圧送助剤
開発品は、既存の圧送助剤と同じくコンクリートの凝結遅延性を制御するとともに、コンクリート材料の分散性を制御する。圧送性を確保しながら、初期強度の発現性が改善する。
圧送助剤は、解砕性のシートで包装した粉体系で、パック計量することで容易にアジテーター車に添加して、撹拌が可能だ。添加することでスランプが増加するため、流動性の保持時間が延長する。
現場適用では、圧送距離1000メートル(水平換算距離)を超える長距離圧送施工を実施した。暑中環境下(最高気温35度)だったものの、配管閉塞などの不具合が生じず、筒先から排出された圧送後のコンクリートも流動性を大きく損なわずに圧送が完了した。
4者は今後、コンクリートの長距離圧送施工を要する工事現場で、施工条件に合わせて適用を進める。
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