鹿島が墨出しを“全自動”で行うロボ「ロボプリン」を開発 生産性が約2倍に:ロボット
鹿島建設は、墨出しを全自動で行うロボット「ロボプリン」を開発し、既に神奈川県小田原市の機械技術センターで実証し、生産性が約2倍に向上することが証明された。
鹿島建設は、建築工事に不可欠な墨出し作業を、全自動かつ高精度に行うロボットプリンタ「ロボプリン」を開発し、複数の建築現場での導入を開始している。
ロボプリンは、読み込んだ施工図面データを基に、工事に必要な基準墨や仕上げ墨などをコンクリート床にプリントする。特別な装置やアプリが要らず導入が容易で、スタート後は全自動で作業するため、誰でも手軽に高精度の墨出しが行える。
特別な装置やアプリが不要で導入が容易、準備は10分で完了
建築工事に必要不可欠な墨出し作業は、各作業の開始前に完了している必要があるため、夜間や早朝などに行われることも多く、墨出し工の負担となっている。
負担解消のために開発されたロボプリンは、読み込んだ施工図面データを基に、工事に必要な基準墨や仕上げ墨などをコンクリート床にプリントする。特別な装置やアプリが要らず導入が容易で、スタート後は全自動で作業するため、誰でも手軽に高精度の墨出しが行える。
具体的には、施工図面データを基に、基準点に設置した自動追尾トータルステーションで高速制御することで、高精度(計測値±約1ミリ以内)に実寸大の連続線や文字(サイズ10ミリ)を床面にプリントする。
車輪には、全方位移動型車輪オムニホイールを採用し、スムーズに移動する。そのため、高精度な長方形線なども無駄な動作なくプリントし、基準墨から仕上げ墨まで幅広い種類の墨出しに対応する。
操作はブラウザ上で行うため、スマートフォンやタブレットなどのデバイス機器で扱える。特別な装置は不要で、一般的なトータルステーションと連携することができるため、導入ハードルが低いのも特徴だ。利用開始までの準備時間は、基準点へのトータルステーションの設置を含め、約10分。ボプリン本体は、直径350ミリ、重さ15キロ程度と小型軽量で、付属品を含め専用キャリーケース1つに格納できる。
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