非接触の視線計測システムが竹中土木の「透過表示コックピットシステム」に採用:産業動向
東陽テクニカの非接触式視線計測システム「Smart Eye Pro DX システム」が竹中土木開発の「透過表示コックピットシステム」に採用された。
東陽テクニカは、スウェーデンSmart Eye製の非接触式視線計測システム「Smart Eye Pro DX システム」が竹中土木が開発した「透過表示コックピットシステム」に採用されたと発表した。透過表示コックピットシステムは、竹中土木と加賀電子株式会社、株式会社フォーラムエイト、イマクリエイト株式会社との共同開発。
重機オペレーターの視線や頭部位置を計測
透過表示コックピットシステムは、透過型LEDフィルムディスプレイを使用することで運転者が3次元の設計データを目視しながら簡単に重機を操縦し、側面ディスプレイにより、重機のアームで隠れた部分も映像で視認できるシステム。業界最高クラスの小型軽量の高解像度カメラで撮影した映像をリアルタイムに画像処理し、運転者の頭部位置/角度、視線角度、瞼開度、瞳孔径などを数値化する。カメラは、振動と外部光の影響を受けにくく、設置の自由度が向上し、実車走行時など明るさの変化が大きい環境でも安定した計測が実現する。
システムが透過表示コックピットシステムと連動することで、運転者の視線位置に応じた映像を表示し、視認の精度向上に貢献する。システムが映像の明るさを判断し、自動で露光時間を調整する新機能を搭載。1つのシステムにカメラを最大8台まで接続し、視線計測範囲を最大270度まで拡張できる。
運転者に対しても非接触での計測が可能なため、頭部の自然な動きや視線などを計測し、自動運転(AD)/先進運転支援システム(ADAS)、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)の研究開発で、システムの開発や改良の精度向上に貢献する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スマートコンストラクション:鹿島が「成瀬ダム」で完全自動化施工を実現 自動ダンプの運搬と荷下ろしで「現場の工場化」へ
鹿島建設は、自動化施工システム「A4CSEL」を適用した「成瀬ダム」の堤体打設工事で、新たに自動ダンプの運搬と荷下ろしを可能にし、製造から打設に至る全作業を完全自動化させた。建機の管制は、約400キロ離れた神奈川県小田原市の鹿島西湘実験フィールドで、3人の担当者が遠隔管理している。 - 建機自動化:JAXAと鹿島建設が“月面施工”を想定した建機の自律遠隔を実証
JAXAと鹿島建設、芝浦工業大学は、月面環境を想定し、「鹿島西湘実験フィールド」とJAXA相模原キャンパスをつなぎ、建機の自律遠隔施工の実証実験を行った。 - 2050年にディーゼル機ゼロへ:技研製作所が“圧入”DXで目指す売上高1000億円 東京〜高知の遠隔施工に成功
技研製作所は、地盤工事でグローバルに展開する「圧入施工」の遠隔操作をデジタルツインで実現した。数百キロ離れた場所にいるオペレーターがラジコンのように操作するだけで、AIの自動調整で杭のズレは10ミリ以内に収まる施工品質が保てる。2024年問題に応じる省人化だけでなく、海外現場で熟練者の配置や人材育成も不要となる。 - スマートコンストラクション:点検表のペーパーレス化サービスが建機レンタル業で採用 建機点検時間を20分短縮
建機レンタル業を営む福島建機が、点検表をペーパーレス化するSORABITOのSaaS「i-Rental 点検」の利用を開始した。導入効果として、建機1台あたりの点検業務時間が20分短縮したという。 - 産業動向:アクティオと共成レンテムの北海道拠点「千歳テクノパーク統括工場」が完成 ICT施工分野を強化
アクティオと共成レンテムは、北海道千歳市に、ICT建機を使用した土木施工のトレーニングフィールドを備えた整備工場と研究開発の場となる「千歳テクノパーク統括工場」を新設した。 - 第5回 建設・測量生産性向上展:シミュレーションを超えたFORUM8の建設VR/メタバース活用例
建設の分野でVR活用が進んでいる。しかし、もととなる3Dデータの取得やデータ変換などには機器のコストや作業の時間がかかり、建築や土木分野でのxR活用の妨げとなっていた。 - 第5回 建設・測量生産性向上展:仮設無しの革新的な“杭打ち”工事を実現する技研製作所の「インプラント工法」
技研製作所のインプラント工法は、先に圧入した杭を利用して新しい杭を圧入する工法。堤防、護岸壁などの工事に用い、建機の稼働用に仮設スペースを用意する必要もない利点があり、オランダをはじめ、海外の公共事業でも採用されている。