施工現場をVR体感できるサービスを提供、EARTHBRAIN:xR
EARTHBRAINは、VR空間でデジタルツインの施工現場を多様なステークホルダーが体感できる「Smart Construction VR」の提供を開始した。
コマツがスマートコンストラクション構想実現に向け、2021年に立ち上げたEARTHBRAINは、VR端末を通じて手軽に臨場感のあるデジタルツインの施工現場を体感できる「Smart Construction VR」を2023年10月から提供開始した。
3Dデータを活用した施工計画の検討も
Smart Construction VRは、Webアプリ「Smart Construction Dashboard」で作成したデジタルツインの施工現場をVR端末で閲覧し、VR空間上で詳細な計画を検討できるサービス。
VR空間内では、一人称視点で自由に移動しながら、測量データや設計データなどの表示を切り替えて施工現場を確認できる。
主な特長としては、離れた場所でも現場の様子や進捗状況などを臨場感のある映像で体感可能になることがある。そのため、発注者や地権者、施工関係者だけでなく、近隣住民にも現場のイメージを共有できる。
建設機械や資材などの3DモデルをVR空間上の施工現場内に設置することで、建機やダンプトラックなどのすれ違いなど、具体的な動きをイメージしながら安全確認や施工手順を検討。複数のVR端末を用意すれば、施工現場のイメージ共有が実現する。
VR空間内は一人称視点で自由に移動し、測量データや設計データなどの表示を切り替えて施工現場を確認。VRコントローラーを用いて任意の点の座標や距離、面積など基本的な計測が行える。
施工計画時には、建機や資材などの3DモデルをVR空間上の施工現場内に設置することで、建設機械やダンプトラックのすれ違いなど、実際の施工現場での具体的な動きをイメージしながら安全確認や施工手順を検討。複数のVR端末を用意すれば、複数人で同じ施工現場のVR環境に参加できるため、施工現場のイメージを共有しながら、共同で検討を進められる。さらに、VRコントローラーを用い、任意の点の座標や距離、面積など基本的な計測を行うことで、設計データと現況地形の差分を確認できるため、遠隔での出来形検査での活用も期待される。
Smart Construction VRの利用には、専用ライセンスに加え、VRヘッドセット、VRコントローラー、専用ソフトをインストールしたPC、VRヘッドセットとPCを接続するケーブルが必要となる。VR用の特別なデータ作成や設定が無くても、現場データを作成するSmart Construction Dashboardの契約も必須となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- “土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(20):【第20回】土木工学の新たな扉を開ける“デジタルツイン” 最新研究にみる「ミラーワールド」の可能性
連載第20回は、“デジタルツイン”にフォーカスして、土木工学の分野でどのような活用が検討されているのか、最新事例を交えながら解説していきます。 - 関東大震災から100年に考えるBCP対策:日建設計が構想する“レジリエント・シティー” IoTとVRで巨大地震の減災へ【設計者インタビュー】
関東大震災から100年の節目を迎えた今、南海トラフや首都直下など発生が近づいていると予測されている。そうした防災/減災が求められる社会変化に従い、日建設計は設計提案でBCP対策のプラスαとなる2つの防災ソリューションを展開している。双方の開発責任者に、開発意図や活用事例について聞いた。 - メタバース:発注者の承認プロセスがBIMベースの「メタバース空間」で完結?大成建設と日立が開発へ
大成建設と日立コンサルティングらは、発注者の承認プロセスをBIMモデルをもとに誰でも操作しやすいUIを備えたメタバース空間で完結する「建設承認メタバース」の開発に乗り出した。 - 第5回 建設・測量生産性向上展:シミュレーションを超えたFORUM8の建設VR/メタバース活用例
建設の分野でVR活用が進んでいる。しかし、もととなる3Dデータの取得やデータ変換などには機器のコストや作業の時間がかかり、建築や土木分野でのxR活用の妨げとなっていた。 - レジリエンス:鹿島建設が3.11や阪神淡路など“大地震の揺れ”をリアルに体感できる振動台を開発
鹿島建設は、制震や免震の採用で顧客との合意形成に活用すべく、大地震の揺れを再現した3次元振動台「トライデッカー」と可搬型振動台「ポータ震II」の運用を開始した。 - 建築ビジュアライゼーション:図面から作成した線画パースで、AIがフォトリアルなCGパースを生成「シェルパAiパース」
シェルパは、図面や写真から作成した線画パースをもとに、画像生成系AIが高品質なCGパースを作成する新サービスを開始した。