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ドローン点検で新たな地平を開く、水中/水上をカバーする国産機体「WATERi」メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023(3/3 ページ)

上下水道の調査・設計、アセットマネジメント、コンサルティングサービスなどを手掛けるNJS。「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023」の出展ブースで、ACSLと共同で設立したロボティクスメーカーの「FINDi」が開発した2機の水中ドローンを展示した。

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ハイエンドモデルで、水中ドローンよる点検/調査の「もっと」の声に応える

 もう1機のFF2は、ハイエンドモデルとして現在開発が進められている機体だ。機体サイズは478(幅)×374(高さ)×612(奥行き)ミリとFF1と比べてやや大きいが、FF1同様にマンホールに納まるサイズとなっている。重量は約24キロ(乾燥重量)と、FF1よりも約1.5倍増加したが、最大速度は毎秒2.1メートル(4ノット)、最大深度300メートルと、機動性を大幅に向上。さらに搭載バッテリー数が3台に増えたことで、連続稼働時間も2倍以上の最大9時間まで延長し、長時間での調査も心配がない。

サイズと重さがアップし、存在感が増した開発中のFF2
サイズと重さがアップし、存在感が増した開発中のFF2
上部カバーを外したFF2。マルチプラットフォームはFF2にも採用されている
上部カバーを外したFF2。マルチプラットフォームはFF2にも採用されている

 メインとなる下部のFPVカメラには、光学30倍ズームの国内メーカーによる新型レンズやイメージセンサーを搭載した専用カメラを取り付ける計画だ。データ通信には、高画質かつ低遅延でデータを送る光ファイバーケーブルを採用する。

 FF2の発売日は正式には決まっていないが、「年内目標で今、開発を鋭意進めている」(ブース担当者)とのことだ。

訓練用シミュレーターでドローン運用をサポート

 NJSは機体開発と合わせて、ウオーターアイ訓練用シミュレーターの実用化も進めている。訓練用シミュレーターは、画面に映し出された映像を見ながら、実機の操作に使用するコントローラーを使い、ウオーターアイを仮想で操縦する。訓練用のシナリオは、船の調査や濁水環境、浮遊物などの障害など、想定される調査シーンやアクシデントを盛り込み、幅広い用途でのウオーターアイの導入につなげていく狙いだ。

開発中の訓練用シミュレーター画面。操作には、実機と同じコントローラーを使用する
開発中の訓練用シミュレーター画面。操作には、実機と同じコントローラーを使用する

 NJSの担当者は今後の展望について、「当社は上下水道からスタートした会社だが、水中ドローンでいろいろなことができることが分かってきた。開発中の水中ドローンFF2であれば、港湾や河川などのインフラ(構造物)や海洋調査まで多種多様な領域で普及が見込める」との自信を示した。

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