米Skydio、自律飛行AIの改良と上空5G/LTE通信に対応した「Skydio X10」を発売:ドローン
Skydioは、エンタープライズ向けドローン「Skydio X10」を上市した。最新モデルは、4800万画素のズームカメラや5000万画素の広角カメラ、解像度640×512ピクセルの放射分析サーマルカメラを備える。
自律飛行技術で知られる米ドローンメーカーSkydioは、エンタープライズ向けドローン「Skydio X10(スカイディオ・エックステン)」を米国時間2023年9月20日に発売した。
Skydio X10は、最新のデータキャプチャー用カメラを搭載し、これまでにない高い自律性も兼ね備える。さらに、汎用性の高い機体のため、建設、エネルギー、公共、輸送、通信などさまざまな分野で活用が見込める。
センサー機能の改良と5G/LTE通信にも対応
Skydio X10は、4800万画素を有するカスタム設計のズームカメラを装着し、約244メートルの高さからナンバープレートを読み取ることができる。他にも、5000万画素を有する広角カメラや解像度640×512ピクセルの放射分析サーマルカメラも備えた。
機体設計は、モジュラー型(組み合わせ型)を採用し、4つのペイロードベイ(貨物収納スペース)と交換可能なジンバルセンサーを備えた。耐候性にも優れており、IP55規格に準拠している。
2カ所を一対一で結ぶ「ポイント・ツー・ポイント接続」や「マルチバンド接続」、「5G/LTE通信」に対応する「Skydio Connect(スカイディオ・コネクト)」により、適切な接続方法を選べるため、遠隔地点からドローンを起動させたり、飛行中にデータを送信したりといったさまざまな使用用途に応える。
飛行性能では、照明がない環境下での自律飛行も可能にする「Night Sense(ナイト・センス)」を実装。
Skydio X10に搭載されたAIは、コンピュータの処理能力を10倍向上させ、10倍の高精度を実現したカスタム設計のナビゲーションカメラを活用している。既存ソフトウェアの「Skydio 3D Scan(スカイディオ・スリーディースキャン)」や「Onboard Modeling(オンボード・モデリング)」と組み合わせることで、リアルタイムのマッピングや完全自動のモデリングを可能とするAI(人工知能)エンジン「Skydio X10 Spatial」を採用している。
用途としては、主に災害時の初期対応やインフラ点検が想定される。持ち運びもしやすく、折りたたんでカバンに入れている状態から、40秒弱で飛行させられるという。
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