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ブルーイノベーションの世界初、ISO準拠ドローンポートシステム 機体を問わず一括運用で完全自動運航へJapan Drone 2023(1/3 ページ)

2023年に発行されたISO 5491は、「物流用ドローンポートシステムの設備要件に関する国際標準規格」で、制定には国内ドローン企業のブルーイノベーションが大きな役割を果たした。同社がISOに準拠して開発したドローンポート情報管理システムは、異なるメーカーの機体や複数ドローンの全自動運航を目指した統合管理システムとなる。

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 ドローンが社会普及するにつれ、法令や運用ルールが整備されつつある。2022年6月には、航空法で100グラム以上の無人航空機に登録が必要となった。同年12月には航空法が改正され、レベル4(有人地帯での目視外飛行)が可能になったのは記憶に新しい。ドローンの運用では、他にも、電波法、民法、道路交通法などによって規制やルールが定められている。

 国際規格でもドローン運用の標準化は進んでおり、2023年に発行されたISO 5491もその一つだ。ISO 5491は、2019年のISO/TC20/SC16南京総会で、日本が提案して採択され、2023年6月2日に正式発行した物流用ドローンポートシステムの設備要件に関する国際規格。150キロ以下のVTOL電動貨物UAS(垂直離着陸式の無人航空機システム)を扱うVertiport(ドローンポート)が、自動離着陸オペレーションを実現するために必要なインフラストラクチャと機器の要件を規定している。正式名称は「Vertiports ― Infrastructure and equipment for vertical take-off and landing (VTOL) of electrically powered cargo unmanned aircraft systems (UAS)」。

 ブルーイノベーションは、「Japan Drone 2023|第8回−Expo for Commercial UAS Market−」(会期:2023年6月26〜28日、千葉・幕張メッセ)で、国際標準規格「ISO 5491」に準拠した世界初を謳うドローンポート情報管理システムβ版を発表した。

 ドローンポートとは、ドローンが離着陸する基地で、機体の格納だけでなく、充電も行う。ドローンポート情報管理システムは、ドローンポートとドローン運航管理システム(UTM)とを連携させ、離陸から、飛行、着陸までを一元的かつリアルタイムに複数機を管理し、完全自動飛行を支援する。気象や人検知など各種IoTセンサー、AGV(無人運搬車)などとも共有することで、ドローン運用オペレーションを安全に遂行する。

ブルーイノベーションのブース全景
ブルーイノベーションのブース全景 筆者撮影

レベル4を見据え、ドローンポート国際規格の制定をけん引

 物流分野では、自律飛行をはじめとする機能開発をドローンメーカーが競っている。しかし、仕様がメーカーごとに異なれば“互換性”がなくなる。ISO 5491規格はそのような事態を回避し、異なるメーカーの機種でも共通して運用できる基盤を規定する。つまり、規格にマッチした機体であれば、メーカーや機種を問わずに離着陸などの制御や運用ができるようになるわけだ。

 ISO 5491は、ドローン物流での機体や機能の開発の枠組みを明確にしている。そのため、各メーカーの開発の方向性を後押しし、運用や管理の面でもドローン市場での標準化につながることが見込まれる。

「ISO 5491」では、物流用ドローンポートのシステム要件が規格化されている
「ISO 5491」では、物流用ドローンポートのシステム要件が規格化されている

 ブルーイノベーションは、ドローンに関する国際規格の発行に向け、2019年から関わってきた。そもそもISO 5491は、日本がけん引役になって策定されたISO規格で、ブルーイノベーションは、日本側のチェアマンとなり、フランス、アメリカ、ドイツ、イギリス、韓国、中国の計7カ国のエキスパート会議を経て発行に至った。

 ドローンポート情報管理システム自体は、2017年から開発をスタート。安全性、汎用性、拡張性をテーマとし、ISO規格も延長線上にある。

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