環境配慮型コンクリート「スラグリート」建設技術審査証明(建築技術)を取得:新建材
西松建設と戸田建設は、共同開発した環境配慮型コンクリート「スラグリート」で、日本建築センターの建設技術審査証明(建築技術)を取得した。
西松建設と戸田建設は、共同開発した環境配慮型コンクリート「スラグリート」について、日本建築センターの建設技術審査証明(建築技術)を取得した。
確認申請時の運用マニュアルを整備し、建築物への適用を促進
スラグリートのJIS A 5308への適合性について、確認申請時に建築主事などが適切な判断を行えるように「スラグリート確認申請マニュアル」も整備し、脱炭素社会への実現に貢献する。
スラグリートは、高炉スラグ微粉末をセメントの代替えとし、二酸化炭素の排出量を20〜65%削減するコンクリート。建築・土木工事問わず環境性能の高いコンクリートが選択できるように、普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種が50対50で高炉セメントA種相当の「スラグリートBA」、高炉セメントB種と高炉スラグ微粉末が60対40で高炉セメントC種相当の「スラグリートBC」、普通ポルトランドセメントと高炉スラグ微粉末が30対70で高炉セメントC種相当の「スラグリート70」を用意した。
建築構造物に用いるコンクリートは、建築基準法で指定建築材料であることが求められ、建築基準法37条第1号で、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)の品質への適合を求めている。同製品は、同一バッチに異なる種類のセメントを混合して使用して練り混ぜ製造する点、セメントと高炉スラグ微粉末を1つの計量機で累加計量する点で、JISマーク表示の要件を満たさない。
しかし、国土交通省は、製造したコンクリートがJIS A 5308の適合コンクリートと同など以上の性能、また、混合したセメントが、JIS A 5308に引用されているセメントのJIS規格への適合が明らかであることなどが確認できれば、JIS A 5308へ適合していると判断できると示している。
既にスラグリートは、建設技術審査証明(建築技術)でJIS A 5308に適合したコンクリートと同等の性能を確認しており、国内のいずれのメーカーの普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種を混合しても、セメントのJIS規格に適合する。
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