冷凍食品製造の「食研」が愛知県豊橋市に55億円を投じ、新工場を新設:ロジスティクス
2023年で創業60周年を迎えた食研は、総工費55億円を投じ、愛知県豊橋市三弥地区にカツ類の生産工場を新設する。竣工は2023年12月1日で、生産能力は年間5000トンを見込む。
主力商品の冷凍とんかつをはじめ、冷凍食品の製造/販売を行う食研は2023年10月24日、愛知県豊橋市三弥地区に工場を新設し、現在の豊橋工場を移転すると発表した。生産能力は従来の2倍となる年間5000トンで、会社全体で1万トンとする計画だ。投資額は、土地、建物、設備を含め55億円。
敷地面積は現工場の約5.8倍、生産能力は約2倍
新工場の所在地は、愛知県豊橋市細谷町北丸山1-4。周辺には、国道1号線と23号線の幹線道路が走り、輸送面でも効率化が図れるため、東の千葉工場と、今回新設する西の豊橋工場の東西2拠点で、納品輸送で近い工場で製造する“適地生産”の実現を目指す。敷地面積は約2万244.63平方メートルで、完成後の延べ床面積は約7292平方メートル。
工場新設の背景には、近年、共働き世帯の増加やコロナ禍で在宅時間が伸びたことから、冷凍食品の需要が拡大していることがある。総務省の家計調査によると、1世帯あたりの冷凍食品への支出金額は2017年の7426円に対し、2022年には1万106円と、急激に増加。食研でも売上が直近4年間で25%増え、「簡単に調理できる(簡便性の高い)冷凍食品」の需要が高まる中、生産量を増やすことでニーズに応えることとなった。
製造ラインは、電子レンジであたためるだけで食べられる冷凍食品の「加熱済み品」専用と、加熱済み品と家庭および外食店舗などで調理する未加熱品の切り替え可能なハイブリッドラインの2ライン体制を敷く。
設備では、急速冷凍の冷媒に「自然冷媒」を採用。自然冷媒は、二酸化炭素やアンモニアを使用するため、温暖化への影響をフロンの1万分の1に抑えられる利点がある。また、LED照明も導入することで、電気消費量を削減し、CO2排出量の軽減につなげる。
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