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ブルーイノベーションの世界初、ISO準拠ドローンポートシステム 機体を問わず一括運用で完全自動運航へ:Japan Drone 2023(3/3 ページ)
2023年に発行されたISO 5491は、「物流用ドローンポートシステムの設備要件に関する国際標準規格」で、制定には国内ドローン企業のブルーイノベーションが大きな役割を果たした。同社がISOに準拠して開発したドローンポート情報管理システムは、異なるメーカーの機体や複数ドローンの全自動運航を目指した統合管理システムとなる。
風のセンシングや着陸誘導、AGV(無人運搬車)との連携も
BEPポート|VISの紹介と提供発表を行ったブルーイノベーション代表取締役社長CEO 熊田貴之氏は、レベル4解禁に関し、「今後、ドローン離着陸の安全性は重要なポイントになる」とドローンポートの必要性を訴える。
BEPポート|VISは、ドローンの飛行前に風の状態を気象センサーを介してセンシングし、安全な離陸が可能か否かを判断する。飛行中は、UTMと連携してフライトを制御し、ドローンポートの正しい位置に着陸するように高精度な誘導も行う。仮にドローンポート付近で人などの侵入を検知した場合は、安全のためにドローンの着陸をキャンセルし、機体を飛行状態に保つ。
ドローンの着陸後は、搭載していた荷物を降ろし、AGV(無人運搬車)などに渡すことも可能だ。BEPポート|VISは、こうした一連の運用の流れを管理する。
熊田氏は、BEPポート|VISが「物流ソリューションだけではなく、点検や災害の分野でもドローンポートは社会に貢献するツールになる」とし、「ドローンのビジネスを展開する際のパスポート的な役割を担うのではないか」との思いを語った。
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