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東急建設が3Dプリンタでファサードを製造する「Branch Technology」へ出資:3Dプリンティング
東急建設は、独自開発の3Dプリンタでファサードや構造物を製造する米Branch Technologyに出資した。3Dプリンティング技術の活用で、生産性向上と環境負荷低減を両立しながら、意匠性の高い建物の実現を目指す。
東急建設は、「TOKYU-CONST GB Innovation Fund」を通じて、独自開発した3Dプリンタ技術でファサードや構造物を製造するBranch Technologyに出資したと、2023年09月27日に明らかにした。
Branch Technologyは、格子状の構造体を自由なデザインで3Dプリントできる独自技術を有し、さまざまなデザインのファサード、モニュメント、建設物の製造・販売を行うベンチャー企業。既に、商業施設含め複数の納入実績を有し、米国でのBuilding Code(建築業に係る行政許可)を取得している。
3Dプリンタは、複雑な曲面などデザイン性の高い形状を製造できることに加え、工場生産のため建設時のCO2排出削減や自動施工による省人化などの効果が期待されている。
東急建設は、Branch Technologyへの出資を通じ、3Dプリンタ施工のノウハウを蓄積し、建設現場の生産性向上や長期経営計画で経営の軸に掲げる「脱炭素」や「廃棄物ゼロ」の取り組みを加速していく。
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