ヒューマンリソシアが考察「建設業界の2030年未来予測」 建設業を悩ます技術者確保やRPA/AI活用も伝授:2024年問題(4/4 ページ)
少子高齢化や働き方改革など、建設業界には解決しなければならない問題が山積している。2024年には残業規制も適用されるなど懸念点は多く、解決までの時間は限られている。そうした中で関係各社が最も頭を悩ませているのが、人材確保に関する悩みだ。技術者の減少が深刻化する中で、建設業界向けの転職支援を手掛けるヒューマンリソシアが、業界の未来予測や企業が取るべき採用アプローチをレクチャーする。
手書き文字を認識する多言語対応のAI-OCRサービス「DX Suite」
その1つは、AI insideが提供するノーコードのAI開発基盤「Learning Center」をベースにした機械学習によるデータ分析「Learning Center Forecast」。過去のマンション販売の実績データをベースに、購入者の年収や世帯数などを学習させれば、新たにモデルルームを訪れた人々のデータの中から、購入確率が高そうな顧客を表示する。さらに資材管理面では、在庫量や物価、株価などをAIに学ばせることで、必要な仕入れ量や出荷予測などの自動算出が実現する。
AI insideの別のAIツールで、画像認識による物体検出AI「Learning Center Vision」は、画像や動画で不良品検知や現場データで安全管理のチェックに役立つ。
谷口氏は、「AIツールはユーザーの考え次第で無限に使い方は広がるので、要望を伝えてもらえれば全力で答えたい」と語る。
ただ、デジタルデータであれば簡単に自動化できるが、紙からスキャンしたPDFであったり、紙のままのデータであったりすると活用は難しい。そうしたケースではAIを活用したOCRツールの利用を促す。ヒューマンリソシアは、AI-OCRサービス「DX Suite」を積極的に展開。日本語の文字認識精度が高く、使い方も簡単で帳票の読みたい箇所を囲って保存するだけで、同じレイアウトの帳票を何枚でも読み取れる。
会議の効率化には、「Z MEETING」をラインアップしている。Z MEETINGは、多言語にも対応し、リアルタイムで発話者が話した内容を表示する。後ほど、Wordなどの形式でまとめてダウンロードすれば、手間の掛かっていた議事録作成が簡易化される。他にも、話題となっている生成AI「ChatGPT」に会議の録画データを読み込ませれば、すぐに要約されるような環境も整いつつある。
建設業の商取引をサポートするツールとしては、IT導入補助金の対象でもある「B2Bプラットフォーム」というサービスも展開。電子帳簿保存法やインボイス制度に対応したツールで、一連の見積もりや契約書管理、納品管理、出来高払いなどを電子化する
最後に増子氏は導入事例として、DX-SuiteとWinActorを採用したスーパーゼネコンの大規模再開発の現場事務所での活用例を採り上げた。健康診断の受診歴や協力会社作業員の新規受け入れなどの書類のスキャニングから、データ化、管理までを自動化し、生産性向上につなげた。
また、総合建設コンサルタントでは、DX-SuiteとXReportを導入。自治体からの大量の点検調書をExcelに入力する業務があり、手入力では限界があったが、両ツールの導入で業務効率の向上はもちろん、納期短縮ももたらされた。
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