Haloworldが点群データを手軽に取得する「携帯型3Dスキャナー」を参考展示:第5回 建設・測量生産性向上展(2/2 ページ)
国土交通省が推進するi-Constructionの進展とともに、測量や3次元設計、施工管理など、現場を3Dデータ化する需要が高まっている。だが、3Dデータ取得には高価な機器を手配し、運用にもある程度の知識が必要となる。Haloworldが開発した携帯型3Dスキャナーは、手軽さと低コストで新たな選択肢を提示するものだ。
ユーザーの要望に応じたカスタマイズにも対応
Haloworldは、ハンディタイプの点群スキャナーに関してはハードウェアの開発を行わず、ソフトウェアに特化している。そのため、顧客の要望に合わせて必要なスペックのハードウェアを選定し、それに合わせたソフトウェアのUI(ユーザーインタフェース)をカスタマイズすることができる。この部分が、Haloworldが展開するソリューションの大きな武器だ。
特に、3Dデータの取得に欠かせないLidarユニットは、小型化と高性能化が日々進んでいるが、一方で価格は下がっている。個々のユーザーの使用目的に最適なセンサーを選ぶことで、制御するソフトウェアも含み性能面でもコスト面でも無駄のないパッケージ提供が可能になる。
ソフトウェア面のカスタマイズでも、柔軟に応じる。展示ブースでは、Linux系OSの「Ubuntu」上の制御プログラムをショートカットから起動してデモを行ったが、現場導入する際は、現場での運用を考慮し、必要な機能だけが動くようにした専用ユーザーインタフェースが用意される。また、頻繁に使う機能があれば、その機能だけを優先して起動しやすいデザインにもする。他にも、必ず連続して使う機能は、RPAのように起動と処理を一連の流れで自動化することも可能だ。
Haloworldのブースでは、現場の地図を自動的に作る「ロボットマッピングシステム」も展示した。ロボットマッピングシステムは、自立型ロボットが、現場で動くために必要となるマップを自動作成する。
現場を自動で移動するロボットも増えているが、ロボット運用には現場マップが必要になる。しかし、マップ作成は少なからぬ作業負担になってしまう。その点、自動で現場のマップを作るロボットがあれば、すぐに自立型ロボットを使い始められる。
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