建設キャリアアップシステム(CCUS)運用5年で登録技能者124万人 PC不要のロギング機能も導入:建設キャリアアップシステム(2/2 ページ)
建設業振興基金の「建設キャリアアップシステム(CCUS)の運営状況」によると、建設技能者の登録者数は124万1884人で、年々普及しているものの、2019年の運用開始時に目標とした5年後には全技能者約324万人にCCUSカード発行という目標には届いていない。
「建レコ」対応の標準カードリーダーを4機種販売中
就業履歴登録アプリ「建レコ」の標準カードリーダーは現在、4機種を販売している(Windows対応1機種、Windows/iOS対応2機種、iOS対応1機種)。
機能追加では、2023年7月に技能者本人や所属事業者が、CCUSの画面上で技能者の保有資格など(登録基幹技能者、保有資格、研修、表彰)の証書を閲覧できるようになった。直近の2023年7月には、カードリーダーだけで、就業履歴を一時蓄積するWindows版の「ロギング機能」を導入。現場にカードリーダーさえあればよく、PCが不要となってことで置き場所を気にする必要がなくなった。ロギング機能により、戸建住宅やリフォームの現場、舗装工事など詰所を設けない現場、複数の小口現場を現場管理者が巡回する現場の他、大規模工事の現場でも朝礼時に技能者がその場でタッチするなど、利用シーンがこれまでよりも広がる。2023年10月には、iOS版を提供する見通し。
API連携では、リバスタの「Buildee」、ヨコハマシステムズの「ワイズワーク」、MCデータプラスの「グリーンサイト」、コムテックスの「キャリアリンク」、シェルフィーの「Greenfile.work」、アンドパッドの「ANDPAD」、WINNERSの「POWERWORK DX」が就業履歴情報だけでなく、施工体制情報や施工体制技能者情報とも連携している。
上記以外のアプリとAPI連携する場合は、CCUS上で施工体制登録や施工体制技能者を登録する必要があり、就業履歴に職種と立場の情報が付加されて能力評価に有効な就業履歴としてCCUSに登録される仕組みだ。
また、建設業振興基金は、CCUS技能者アプリ(技能者パスポート)の実証実験への参加者を募集している。実験では、技能者がスマホのWebアプリでCCUSのシステムを閲覧する際のインタフェースを向上させるために、操作性や表示性を検証する。募集人数は1000人程度を予定しており、期間は2023年9月1日〜10月31日。応募条件は、CCUS登録済みの技能者で、期間中に就業履歴の蓄積の見込みがあり、実験終了後にアンケートに協力できること。申し込みは、専用フォームから受け付ける。
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