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バイオマス発電所で発生したCO2を輸送・貯留する技術の検討を開始、大成建設ら産業動向

大成建設は、石炭フロンティア機構を代表とする国内の13機関と共同で、商用規模のバイオマス発電所で発生する排ガスから分離・回収されたCO2を液化・圧縮後に、CO2輸送船で貯留地まで運搬し、海底下の地下深部に貯留する実証試験に向けた検討を進めている。事業の実施期間は2021年度から2025年度までの5年間を見込む。

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 大成建設は、石炭フロンティア機構(JCOAL)を代表とする国内の13機関※1と共同で、環境省の公募事業「環境配慮型CCUS一貫実証拠点・サプライチェーン構築事業委託業務(輸送・貯留等技術実証)」に応募し、2021年8月に採択された。

※1 13機関:石炭フロンティア機構、東芝エネルギーシステムズ、上野トランステック、日揮、千代田化工建設、大成建設、東京大学、九州大学、ダイヤコンサルタント、日本エヌ・ユー・エス、産業技術総合研究所、QJサイエンス、太平洋セメント

貯留候補地のCO2貯留可能量や地下深部に圧入後のCO2挙動に関する評価を担当

 政府は、2050年までにカーボンニュートラルの実現を宣言した他、2021年4月に、2030年の温室効果ガス削減目標として、2013年と比べて温室効果ガスの46%低減を表明した。

 上記の数値を実現するために、新たな省エネルギー技術や再生可能エネルギーを最大限に活用するとともに、CO2を回収して、有効利用あるいは貯留するCCUS※2技術の開発が求められている。

※2 CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略称で、火力発電所やセンメント工場などから排出されるCO2を回収、有効利用又は貯留する技術を指す

 こういった状況を踏まえて、大成建設らが前述の公募に応募した事業では、商用規模のバイオマス発電所※3で発生する排ガスから分離・回収されたCO2を液化・圧縮後に、CO2輸送船で貯留地まで運搬し、海底下の地下深部に貯留する実証試験に向けた検討を行う。


一貫実証試験のイメージ(仮) 出典:大成建設プレスリリース

 大成建設では、現在、中期経営計画(2021〜2023年)の重点課題に「カーボンニュートラルに向けた取り組みの加速」を掲げており、具体策の1つとして、CO2地中貯留関連技術の開発を進めている。

 そして、今回の事業では、発電所や工場などから回収されたCO2を船舶にて輸送するための出荷・港湾設備についての検討と、研究開発を推進している「CO2地中貯留シミュレーション技術」を用いて、貯留候補地のCO2貯留可能量や地下深部に圧入後のCO2挙動などに関する評価を担当する。

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