竹中工務店が“ハンドジェスチャー”で照明や空調を操作する、非接触制御システムを開発:BAS
竹中工務店は、ハンドジェスチャーをAIで読み取り、複数の設備を制御する非接触制御システム「Contactless Smart Control」を開発した。
竹中工務店は2023年8月24日、手の形状や指先の位置(ハンドジェスチャー)に応じて、照明/換気/エアコンなど多様な設備を非接触で制御できるシステム「Contactless Smart Control(コンタクトレス スマート コントロール)」を開発したと公表した。
天井に設置したAIカメラで、手の形状を画像認識して機器制御
Contactless Smart Controlは、画像認識技術を用いたシステム。天井に設置したカメラが画角エリアの画像を取り込み、制御コントローラーでAIの画像処理で、手を検出し、指先の位置や形状(グー、パー、OKサイン、指差しなど7パターンを判定)を識別して、あらかじめ決めた条件に適合するかを判断し、各設備機器に指令出力する。
壁スイッチモードでは、手の指差し形状や位置を識別し、照明などの入切や調光を行う。空中スイッチモードでは、指定ゾーンで手のひらをかざすことで空調温度設定が変更する。他にも、プレゼンテーションの際に、ハンドジェスチャーで資料操作やポインターの役割を担うなど、多様な設備制御に適応している。
Contactless Smart Controlの導入により、スイッチの設置スペースを考慮せずに、自由度が高く、デザイン性に優れた空間の提供が可能となる。また、設備機器や器具の追加変更などへも柔軟に対応し、施工面でも、壁面への設備ごとの配管配線工事を無くすことで、工程短縮、工事費削減が図れる。また、設備操作を非接触で行うため、新たな感染症対策としても有効となる。
今後は、オフィスビルや商業施設のような可変性が求められる施設や医療関係など、感染の影響が大きい施設をはじめ、生産施設のスイッチを設置する壁面が少ない空間に積極的に提案していく。さらに、体の不自由な方、育児/介護に携わる方も含めた多様な社会で有効となるインタフェースとして機能拡張し、使いやすさの向上やセキュリティ機器への展開なども見据えている。
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