竹中工務店が大規模賃貸マンションで国内初の「Nearly ZEH-M」取得 ユニークな換気法も採用した脱炭素ライフの次世代型住宅:ZEH(1/3 ページ)
CO2排出量削減に代表される環境配慮で、特に住宅は近年、建設時だけでなく完成後の運用時にも環境性能が社会要請として求められている。一方、住居者にとっては快適な住機能や魅力的な住まいの需要も高まっている。そのため、次世代住宅には、相反するかのようなニーズを両立させ、持続可能性を備えた快適な居住空間の設計が必要となる。
竹中工務店は2023年3月15日、非分譲の大規模集合住宅としては国内初となる「Nearly ZEH-M」認証を取得した高級賃貸マンション「代々木参宮橋テラス」の現地見学会を開催した。代々木参宮橋テラスは、高い外皮性能や高効率の設備システムなどで優れた環境性能を実現し、光や風、緑を取り入れた空間設計は、住居者のQOL(Quality of life:生活の質)向上にも配慮している。
代々木参宮橋テラスは建物構造にも住環境の快適性を考慮
代々木参宮橋テラスは、壁式RC造地上4階建て、敷地面積3983.68平方メートルのうち建築面積2136.18平方メートルの規模となる高級賃貸マンション。間取りタイプは1LDK、2LDK、3LDK、4LDKの4種で合計86戸。住居部の他に、住民が集うラウンジや在宅勤務で活用できるワーキングスペースを備えている。
近代的な建築物らしく、マンションは住民がストレスを感じることなくCO2排出を抑えた生活が楽しめるようにデザインされている。Nearly ZEH-Mの認証を取得したことはタイトル通りだが、省エネ性能は省エネ空調や設備、使われる建材などの他、建物全体の構造によるところも大きい。
物件でまず特徴的なのが、4つの住居棟(壁式RC造)が中庭を囲むように配置されたデザインだ。各住居棟は、エキスパンションジョイントではなくフラットスラブによって緊結。各棟は方位が異なるように配置し、各住居棟が互いに耐震性を補完しあうように考慮されている。
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