2022年ゼネコンの特許で他社牽制力ランキング上位は清水、大成、竹中:産業動向
パテント・リザルトは建設業界の特許を対象に、2022年の特許審査過程で、他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を、企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2022」を発表した。
パテント・リザルトは2023年6月23日、ゼネコン業界の特許を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2022」を発表した。
2022年に最も引用された企業は、1位清水建設(456件)、2位大成建設(365件)、3位竹中工務店(338件)だった。
1位の清水建設で最も引用された特許は、昨年と同様に「あらかじめ設定した場所とは違う場所で建物検査を行う際の検査支援装置」に関する技術で、高砂熱学工業や沖電気工業などの計4件の審査過程で引用されている。このほか「建設作業用ロボット」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、積水ハウスなどの計3件の拒絶理由として引用されている。
2位の大成建設では「空間の温度などの環境物理要素の3次元空間分布をリアルタイムで把握できる空調環境モニタリングシステム」に関する技術が、三菱電機の計5件の審査過程で引用されている。3位の竹中工務店の最も引用された特許は「駐車場における非常時送電制御システム」に関する技術で、ダイヘンやトヨタ自動車など計4件の審査過程において拒絶理由として引用されている。
4位の鹿島建設は「無人飛行体を用いた監視装置」、5位 大林組は「建設向け立体造形用セメント質材料」が、最も引用された特許として挙げられる。
同ランキングは、日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全ての特許のうち、2022年1〜12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出している。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになるという。
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