福井コンピュータの“BIM/CIM原則適用”に対応した3DCADシステム:第5回 建設・測量生産性向上展(3/3 ページ)
福井コンピュータは、「第5回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO 2023)」で、アップデート版がリリースされたデータ共有クラウドサービス「CIMPHONY Plus」や新製品の道路設計3DCADシステム「TREND ROAD Designer」などを紹介した。
法令に準拠! 3Dモデルベースの道路設計システム
2つ目に取り上げる製品は、2023年7月に販売を開始したBIM/CIM道路設計3DCADシステム「TREND ROAD Designer(トレンドロードデザイナー)」。
TREND ROAD Designerは、BSが開発したCADソフト「OpenRoads Designer」をベースに、日本国内の法令や基準に準拠した道路・構造物設計を行えるように独自に改良が加えたOEM製品。OpenRoads Designerは、道路の計画・設計・施工・運用のための業界標準となっているソフトだ。
製品紹介担当者はTRDの特徴について、「3D測量データをもとにした地形モデル上に、平面縦断線形を作成し、標準断面を入力することで、容易に3D道路モデルをつくることができる」と説明。具体的には、地形モデル作成、平面縦断線形作成、3D道路モデリング、横断片勾配定面、図面・帳票作成といった道路設計に欠かせない基本機能のほか、交差点の設計、環状交差点の設計、丁張レポート、2D図面出力(dwgやdxf)、ifcやJ-LandXML形式での3Dモデル出力などの機能を実装するという。
今回、3D設計ソフトを発売することで、福井コンピュータは測量から設計・施工まで、プロジェクト全体での3Dソリューションのラインアンプがそろうことになる。
製品説明担当者は、「道路工事では測量や施工の場面では3D活用が進む一方で、設計分野では依然として2Dが主流だった。TRDを使用することで、測量・設計・施工までをフルで3D化できるので、プロジェクト全体での業務効率化、合理化が進むだろう」と期待を示した。
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