10分ごとに1kmメッシュの解像度で予測するAI日射量予測ツールを提供:AI
ウェザーニューズは、雲の移動を学習したAI日射量予測モデルを開発し、10分ごとに1kmメッシュの解像度で予測する「日射量ナウキャスト」の提供を開始した。
ウェザーニューズは2023年6月1日、雲の移動を学習したAI(人工知能)日射量予測モデルを開発し、10分ごとに1キロメートルメッシュの解像度で予測する「日射量ナウキャスト」の提供を開始したと発表した。
同社が開発した日射量予測モデルは、気象衛星の連続雲画像を入力し、ディープラーニングにより雲の移動を予測する「雲画像予測」と、衛星雲画像を取り込んで三次元的な雲の粒子的移動を数値予測モデルに反映する「粒子追跡予測」を組み合わせたものとなっている。
雲画像予測は、領域外からの雲の流れ込みなどを予測でき、不自然な雲の切れ目がない時間変化を表現可能。また、粒子追跡予測は、雲の鉛直方向の分布を組み込んで高い水平解像度で層ごとの雲の動きを表現できる。
同社発表によると、気象庁のMSM(メソモデル)と比較して予測精度が約14%向上したという(2023年1〜3月の2 乗平均平方根誤差、国内で全天日射量を観測している気象庁観測地点全47地点で評価)。また、10分ごとの予測も可能となった。
さらに、電力市場向けの気象データセット「WxTech for Energy」において、日射量に加えて気温や降水量、降雪量、湿度、風、天気といった電力市場において求められる気象予測データを、10分ごとに2時間半先まで1kmメッシュで提供する。
同データセットは、気温と日射量の予測のブレを提供する「気温EPI」と「全天日射量EPI」も備えた。また、APIによるシステム連携やDWH(Data Ware House)によるデータ共有にも対応している。
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