JFMA調査研究会の取り組みにみる、ESG/SDGsにFMはどう向き合うべきか?:JFMA調査研究部会のFM探訪記(10)(2/2 ページ)
本連載では、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA) 専務理事 成田一郎氏が「JFMA調査研究部会のFM探訪記」と題し、JFMA傘下で、マネジメントや施設事例、BIM×FMなどの固有技術をテーマにした合計18の研究部会から成る「調査研究部会」での研究内容を順に紹介していく。第10回は、SDGsにFMがどう向き合って取り組んでいるかJFMA調査研究部会を紹介する。
◆「ファシリティマネジメント視点で考えるESG/SDGsセミナー」の開催
「ESG/SDGsとファシリティマネジメント」の発刊を記念して、オンラインで「ファシリティマネジメント視点で考えるESG/SDGsセミナー」を2023年6月5〜20日に開催し、ファシリティマネジメントの視点から考えたESG/SDGsに対するさまざまな調査研究活動の概要を紹介した。
◆SDGsと高い親和性があるFMはどう向き合っていくべきか?
ファシリティマネジメント(FM)とSDGsは親和性があり、17の目標設定などは、マネジメントの原則、目標管理(MBO:Management By Objectives)そのもので、目標を設定することにより、人々は行動し、PDCAを回していくことになる。
FMの進め方として、第1ステップは、課題を発見しそのマイナス面をなくすことだが、17のゴールはグローバルな課題と目標を明確にしてくれる。そして、第2ステップは、Wellbeingや豊かさを増やすこと、第3ステップは、それらが永続的に続くようにサステナブルな施策を取ることにある。こうしたステップは、FMもSDGsも共通である。
さらに、FMのISO 41001/JIS Q 41001とSDGsの関係についても検討が進み、ISO 41001/JIS Q 41001が実現するSDGsの目標としては、「11.住み続けられるまちづくりを」「12.つくる責任、つかう責任」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「4.質の高い教育をみんなに」「10.人や国の不平等をなくそう」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさを守ろう」などがある。
SDGsの開発目標の達成年である2030年まであと7年――。どこまでできるか、地球規模のパンデミックや争いによるSDGsへの影響も考慮しなければならない。
できるわけないと評論家で終わってしまっていいのか、それとも一歩踏み出し、できるところから、この先も一歩ずつ進むか。FM実践者が果たす役目は明白だろう。
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