積水ハウス建設が2024年に“住宅技能工”2.4倍の採用計画、4職務等級に変更と1.8倍の年収アップ:2024年問題
積水ハウス建設は、“住宅技能工”の高卒採用計画を策定するとともに、新たな人事制度と評価制度を導入し、住宅職方の処遇改善で職種の魅力向上につなげる。
積水ハウスグループの積水ハウス建設は、2025年4月入社までの高校卒業予定者を中心とした“住宅技能工”の採用計画を新たに策定した。
計画では、2024年4月入社で今期の2.4倍にあたる年間95人、2025年4月入社では3.4倍にあたる年間133人をそれぞれ採用する。さらに、チーフクラフター(職長クラス)の待遇を大幅に改善する他、新たな人事評価制度を導入するなど、育成と採用を大幅に強化し、積水ハウス建設の職方として働く魅力を向上させ、全国的な採用増加で地方の雇用を創出する。
採用計画と併せて、新たな人事制度と評価制度を導入
採用を大幅に増やす背景には、建設現場での職方の高齢化や若年就業者の減少の加速に加え、年間時間外労働の上限の制限が2024年4月1日から適用される「2024年問題」がある一方で、国内の底堅い住宅需要への対応と、高い耐震性や断熱性を備えた良質な住宅ストックの形成に向けた担い手創出が強く求められていることがある。
育成と採用の強化対象となっている“住宅技能工”=「クラフター」は、住宅建築を担う職方。住宅づくりには多様な技能を持つ多能工が求められるため、積水ハウス建設では育成に力を入れ、クラフターの魅力をさらに高めるに至った。
今回の採用計画と併せて、新たな人事制度と評価制度を導入する。これまでの「施工技能者」という名称を改め、「ホープ」「クラフター」「チーフクラフター」「マスタークラフター」の4つの職務等級に変更した。また、専門能力の高まりや拡がりをタテ/ヨコ軸で示す「スキル・マトリックス」による新たな客観的評価を導入。職方の役割やスキル、キャリアの見える化を図るとともに、基礎から建方、内装という工程を一棟丸々担うことができる多能工人財の育成を一層図っていく。同時に、クラフターから工程管理・品質管理を行う工事責任者への職種変更も可能とする。
処遇の大幅改善を軸とした人財への積極投資では、高卒新入社員の初任給を月収/年収ベースで11%の引き上げを2023年4月に実施した。2024年4月の新人事制度導入からは、チーフクラフターの待遇を見直し、30代で現在の年収500〜600万円から、最大約1.8倍にあたる約900万円まで引き上げる。クラフターが仕事に集中して働きやすく、一生涯安心して良質な住宅建築に貢献できる就業環境を整備していく。
完全週休2日制への対応では、建設業ではまだ完全実現が少ない、「4週8休」「年間休日120日」「完全週休2日」「男性育休取得率100%」を継続し、積水ハウスグループの大規模な工事数を生かし、業務のピークを平準化する。
また、現場でのイメージアップと社員の満足度向上を図る目的で、ビームス(BEAMS)のユニフォームブランドに依頼し、ユニフォームを制作した。夏冬用、防寒服、空調服などの一式を2024年春から全国の“住宅技能工”が着用する予定だという。
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