「ChatGPT」のAPIをBoxに搭載した新機能「Box AI」 国内進出10周年を迎えたBox Japanが抱く日本市場への期待:クラウド(1/4 ページ)
Box Japanは2023年5月18日、国内での事業戦略に関する記者説明会を開催した。会場には、米Boxの共同創業者兼CEOのアーロン・レヴィ氏がオンラインで登場。日本市場で感じている手応えを語りつつ、同月に発表した新サービス「Box AI」についても詳しく紹介した。
コロナ禍によるリモートワークや働き方改革の推進に伴う自動化ツールの活用など、業務効率化に向けた取り組みが活発化している日本の労働環境。企業の基盤システムとして、オンプレミスからクラウドへの移行は、大企業だけでなく、中小企業にとっても、避けては通れない課題になっている。2024年4月に働き方改革関連法の猶予期間が終了し、現場または事務所での作業の業務効率化が喫緊の課題とされる建設業界にとっても、クラウド導入に関するトピックスは、無視できない領域だろう。
そうした市場背景にあって、日本の建設業界でも支持を集めているのが、クラウドストレージサービス「Box」だ。その強みは、誰でも直感的に操作でき、簡単にファイルのアップロードやダウンロードを行える手軽さにある。米国で2005年に設立されて以来、世界では10万社以上、日本国内だけで見ても1万社以上の導入実績を誇り、世界中にコアユーザーを抱えている。
一元管理で生産性向上に貢献するBox、最新ツールBox AIでさらなる効率化を
2013年の日本進出から順調に国内ユーザーを増やしながら、2023年に設立10周年を迎えたBox Japan。米Boxの共同創業者兼CEO アーロン・レヴィ氏は日本市場について、「多くの企業がオフィスのデジタル化に興味を示しつつある時期に突入しており、今後もワクワクしている」と、期待感をあらわにした。
しかし、デジタル化にも少なからず懸念はあるとレヴィ氏は語る。特に問題視したのは、オフィス間での各システムの孤立、いわゆる“サイロ化”の問題だ。例えば、製造部と営業部など、別々の部署間で異なるファイルサーバやクラウドサービスを活用している場合、いざというときに連携をうまく取れず、生産性を大きく損なうケースがある。それ以外にも、セキュリティやコンプライアンスのリスクが増大したり、作業の複雑性を増やして似た作業をいろいろな場所でしなくてはならなくなったりなど、さまざまなトラブルの温床をつくってしまうだろう。
こうした課題を未然に解決させるのが、Boxの役割だ。Boxでは、データの取り込みから保護、署名、分析、拡張に至るまで、さまざまな機能を一元的に集約している。「Boxの機能は、ITのシンプル化を実現し、オフィスの生産性向上に大きく貢献する」と、レヴィ氏も強調する。
「ChatGPT」のAPIをBoxに統合した「Box AI」
さらに、新しい機能として搭載されたのが、生成AI開発企業OpenAIとの提携により、「ChatGPT」のAPIをBoxに統合したBox AIだ。Box AIでは、コンテンツ内に存在する豊富なデータを高度なAIによって迅速に解析し、必要な情報をこれまで以上に素早く入手できるようになる。
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