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スマートビルのアーキテクチャ設計でSociety 5.0実現へ DADCがBIMやビルOSの活用で構想する未来像Archi Future 2022(1/4 ページ)

スマートビルを起点に、サービスやプラットフォームの連携を都市レベル、社会レベルへと拡張し、人間中心の社会=Society 5.0の実現を目指す、情報処理推進機構(IPA)傘下の「デジタルアーキテクチャ・デザインセンター」。スマートビルのアーキテクチャ設計が向き合う課題と、その未来像とはどのようなものか。

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 建築分野でのICT活用を中心とした注目の動向と最新のソリューションを紹介する「Archi Future 2022」が2022年10月、東京都江東区有明のTFTホールで開催された。リアル(オンサイト)で開催されたのは3年ぶりとなる。情報処理推進機構(Information-technology Promotion Agency, Japan:IPA)の傘下にある「デジタルアーキテクチャ・デザインセンター(Digital Architecture Design Center:DADC)」のセッションでは、センター長 齊藤裕(ゆたか)氏と、プロジェクト部 中村公洋氏が登壇。「社会の協調領域を創るデジタルアーキテクチャ・デザインセンター―情報産業が建築・都市を考える―」の表題で講演した。

新たなアーキテクチャ設計で、システム中心の壁を突破する

デジタルアーキテクチャ・デザインセンター センター長 齊藤裕氏
デジタルアーキテクチャ・デザインセンター センター長 齊藤裕氏

 講演は2つのパートに分かれ、前半は齊藤氏が担当。デジタルアーキテクチャ・デザインセンターがスマートビルに関するアーキテクチャ設計を進める狙いを説明した。

 DADCは、2004年に発足した経済産業省所管のIT政策実施機関となる情報処理推進機構の傘下組織。人々の生活基点としての地域や都市空間の利活用にデジタル技術を援用することでサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(物理空間)とをデジタルツインで高度に融合させ、人間中心で社会的解決と産業発展との同時実現を目指す将来ビジョン「Society 5.0」に必要な社会システム全体の設計と提案をする組織として、2020年5月に設立した。

 DADCの基本方針は、将来ビジョンと現在や過去のデータから予測した未来予測とのギャップを明らかにし、将来ビジョンからバックキャストさせて目標を実現する。「アーキテクチャを設計し、その実現に向けて、徐々にそこに現状を近づけていくというアプローチで進めている」と齊藤氏は語る。

Society 5.0と、その実現に向けたDADCの取り組み
Society 5.0と、その実現に向けたDADCの取り組み

 そのうえで齊藤氏は、「各種システムが個別に最適化された延長では、Society 5.0の実現は困難」との持論を示し、システム間が連携する共通のレイヤーや新たなルールなどを組み込んで設計することで、「システム中心の社会の限界を超えていくことが必要」と説いた。DADCが設計を進めるアーキテクチャについては、「ITシステムそのものに加えて、社会全体のルールやガバナンス、ビジネスモデルなどに考慮することで、ある企業にとっての行動指針となるようなものを設計したい」との意気込みを語った。

Society 5.0実現するために求められるアーキテクチャ設計の方向性
Society 5.0実現するために求められるアーキテクチャ設計の方向性

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