人を追いかけて風を送る吹出口を大気社が開発 2025年に3000台の販売目標:BAS
大気社は、画像認識技術を活用して人を追いかけて、ピンポイントで冷風を送る吹出口システム「FOLLOAS」(フォロアス)を開発した。
大気社は、画像認識技術を活用して人の動きに追従し、冷風を吹く吹出口システム「FOLLOAS(フォロアス)」を開発したと2023年4月11日に発表した。
新時代のパーソナル空調と位置付ける人追従吹出口「FOLLOAS」
工場では、従来より固定式吹出口による個別空調が採用されていたが、固定式吹出口では作業者の移動範囲を全てカバーすることができず、作業者は夏季には厳しい作業環境下で業務を行うことも少なくなかった。
大気社では近年、ICTを活用した技術開発を進めており、特に画像認識技術の既存技術への応用に注力してきた。そうした中で、大気社が長年培ってきた空調制御技術と画像認識技術を組み合わせることで、よりパーソナルな空調の実現に向け、対象者に追従して給気方向が変わる本製品を開発するに至った。
FOLLOASは、検知カメラで対象を認識し、対象の位置情報から2軸の駆動モーターを使って吹出口を常に対象に向くように動き、1台で直径5メートルのエリアをカバーする。100または200ボルト電源で動作し、検知カメラやマイクロコンピュータ、駆動部(モーター)をユニット化しているため、短工期で取り付けできる。
対象者がいないときには、気流を停止し、消費電力や圧損が低下し、省エネを実現する。工場の組立工程や倉庫、搬出ヤードなど、作業上囲うことができない場所や移動と停止の作業が繰り返される場所などに適している。
大気社では、大空間の工場に従来型の固定式吹出口を設置しており、作業環境の改善や暑熱対策、工場全体の省エネを検討している顧客に対し、既に導入提案を進めているという。
また、複数の工場で試験的導入や耐久性検証も行っており、今後は距離に応じた風量調整や対象者の有無に応じた運転制御、複数台が連携した稼働などの機能開発を進めていく。販売目標は、2025年までには年間販売台数3000台を目指し、量産化に向けた体制を構築するとしている。
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