【独自分析】「建設業の平均給与は541万円、全産業平均を上回る」建設業の給与動向:建設業の人材動向レポート(48)(2/2 ページ)
本連載では、総合人材サービス会社で建設業向けの人材サービスを展開するヒューマンリソシアが、独自に調査した建設業における人材動向を定期レポートとしてお届けする。建設業従事者の人材動向に関する実態を解明し、建設業各社の採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。今回は、建設業における給与動向の2022年の実績と過去5年間の推移をまとめた。
■男女間の給与格差は全産業平均よりも小さい
男女間の給与格差※3は、建設業では2017年の70.2%から2022年には75.3%となり、給与格差は縮小してきていると分かる(図表4)。全産業平均と比較すると2017年で建設業は2.3ポイント、2022年で5.5ポイントと上回っており、全産業平均よりも男女間給与格差は小さい。
※3 男女間給与格差=(「女性の常用労働者1時間当たり平均給与額」÷「男性の常用労働者1時間当たり平均給与額」)×100%で算出
2.小規模企業と大規模企業の比較
■小規模企業と大規模企業の給与格差は全産業平均よりも大きい
従業員数の規模別で給与額を比較したところ、建設業では企業規模別で給与格差※4が広がってきている。従業員数5〜29人の小規模企業と、従業員数1000人以上の大規模企業の年間平均給与額を比べると、直近の2022年では、小規模企業は対前年比3.2%増加の472万円で、大規模企業は同0.5%減少の879万円だった(図表5)。
しかし、対2017年比で増減率を算出すると、小規模企業が8.3%増、大規模企業は11.9%増となり、大規模企業の方が3.6ポイント給与の伸び率が高い。小規模企業と大規模企業の給与格差について、建設業と全産業平均との比較では、2022年は建設業53.7%、全産業平均61.7%となり、建設業は企業規模による給与格差が他の産業と比べて大きいと分かる(図表6)。
※4 従業員数規模間の給与格差=(「従業員数5〜29人の一般労働者の1時間当たり平均給与額」÷「従業員数1000人以上の一般労働者の1時間当たり平均給与額」)×100%で算出
著者Profile
ヒューマンリソシア
ヒューマンリソシアでは、建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析に関する独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信も行っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.